愛犬の防災グッズ|必要なものの優先順位を考えた準備が必要

日本は国土の73~75%が山地です。洪水や氾濫などの災害と無縁ではいられません。
また、日本列島は北米プレート・ユーラシアプレート・太平洋プレート・フィリピン海プレートと、4つのプレート上に位置していることから、地殻変動による地震も頻発しています。
さらに近年は気候変動による豪雨災害も多く、もはや誰にとっても災害は対岸の火事ではなくなりました。
だからこそ、もしもの備えには愛犬の防災グッズもしっかり用意しておきたいところです。
目次
市販の「愛犬防災セット」のフードは愛犬に適してる?
愛犬のための防災グッズに関する記事は、いまやいろいろなところで見かけますよね。ECサイトをざっと検索しただけでも、犬の防災グッズは多種多様に販売されています。
中には非常持ち出し袋に犬用品一式が詰められた「愛犬防災セット」なるものも。いざという時その袋一つを持ち出しさえすれば、とりあえず犬に必要な用品が一式確保できる仕様です。なんとも便利なものであることは間違いありませんが……。
「愛犬のための非常持ち出し袋を用意した!これで大丈夫!」と安心するのは、中身をきちんと確認してからにしておきましょう。
なぜなら、セット販売されている防災グッズが想定しているのはあくまでも一般的な犬であり、あなたの愛犬ではないからです。
仮に当座で必要なものが一式揃っていたとしても、愛犬がいつも食べている食事がラインナップに入っていることはまずないでしょう。もちろん、用意されていたドッグフードの銘柄がたまたまいつも食べさせているものと同じだった、ということはあるかもしれません。しかし、確率としてはあまり高くなさそうです。
「でも緊急時なんだから、いつもと違う食事内容になったとしても、それはそれで仕方ないのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、緊急時だからこそ「愛犬の食べ物」にこだわるべきではないでしょうか。なぜなら、私たち人間以上に犬は緊急避難した先で、強いストレスにさらされることになるからです。

犬の防災用品は替えがきかないものを優先すべし!
私たち人間は、なぜ避難しなければいけないのか理解したうえで避難行動をとりますよね。
しかし、犬にとっては何がなんだか訳がわからないのに、見知らぬ場所に突然連れていかれることになるのです。おまけに飼い主さんがピリピリしていることだけは、敏感に感じ取ってしまうことでしょう。
そのような状況でストレスを感じるなというほうが無理ですし、仮に病気一つしたことがなかったとしても、緊急避難を境に体調やメンタルが不調に陥ってしまうこともあるのです。
ましてやそれが下痢や軟便をしがちな犬や、免疫力が低下している老犬だとしたら……。
そうなんです。たとえ犬の防災セットを購入したとしても、中に入れておく食べ物に関しては、愛犬が食べ慣れたものに入れ替えておくべきなんですね。
一式揃った防災セットではなく、飼い主さん自身で防災グッズを一つずつ用意するのであれば、まずは代替がきかないものから優先的に準備する必要があるのです。
- 愛犬が食べ慣れているご飯
- 闘病中の犬の療法食
- 闘病に欠かすことのできない薬
まずは上記のように替えがきかない食べ物や薬などを用意したうえで、他のものを準備するようにしましょう。

愛犬が食べ慣れた食事や薬に比べて食器やペットシーツはどうにかなる
とても乱暴な言い方になりますが、いざという時にいつもの食べ物や薬さえ用意できていれば、その他に必要なものはどうにでもなります。
ペット用の食器がなくても弁当のプラスチック容器で代用できますし、ペットシーツがなくてもとりあえず屋外で排泄させることはできるでしょう。
また、自治体によってはペットを想定した物資(トイレシーツなど)を備蓄している避難所もありますし、遠方の親戚や友人のところに身を寄せるのであれば、ペットシーツなどは比較的容易に手に入れることができるはずです。
しかし、愛犬が食べ慣れている食事や服用中の薬は、そう簡単には手に入らないことも。
たとえば、腎臓病の犬の療法食などは、ホームセンターなどを探してもまず売っているところはありません。
動物病院でさえ、取り扱っているメーカーはまちまちです。ロイヤルカナンが手に入らないのでやむなくヒルズの療法食を食べさせたら、お腹が慣れていないので下痢をしてしまった、ということは充分にありえるでしょう。
また、僧帽弁閉鎖不全症など心臓病を患っている犬にとって、慢性心不全改善剤などのお薬は体調安定に欠かせません。これらが手に入らないとなると、たとえ数日間のことであっても飼い主さんとしては気が気でない思いをすることに…。
だからこそ、愛犬のための防災グッズを用意するのであれば、まずは替えのきかない食事と薬が最優先。ペット用の食器やペットシーツといった犬用の備品一式を用意するのは、そのあとでも充分に間に合います。

愛犬の薬はあらかじめ多めに処方してもらう
心臓病、腎臓病、クッシング症候群、糖尿病等々、犬にとって体調の安定に毎日の服薬が欠かせない病気はいくつもあります。
愛犬がそのような病気を患っているとしたら、万が一に備えてかかりつけの動物病院に予備分まで含めた薬の処方を依頼しましょう。
たとえば、毎月病院に通って30日分ずつ薬を処方してもらっているとしたら、防災グッズを準備する際に40日分処方してもらいます。
そして10日分を防災グッズの中に入れておけば、いざという時に防災グッズしか持ち出せなかったとしても、とりあえず10日分の薬は確保することができるのです。
緊急事態に備えてドライフードを主食に選ぶのはナンセンスかも…
いざという時に手作りご飯だと大変だから、ドライタイプのドッグフードがおすすめ――という考え方にはあまり同意できません。
もちろん、ドライタイプのドッグフードは保存がしやすく、緊急時の持ち出しも容易であることは間違いないでしょう。
しかし、それだけの理由で愛犬の主食をドライフード一択と考えているとしたら、それはいざという時を優先するあまり、日常的な食事による体調管理をおざなりにしていることにならないでしょうか。
犬の手作りご飯はドッグフードに比べて用意に手間がかかる――これは事実です。とはいえ、工夫次第で案外なんとかなるものなんですよね。
たとえば、高品質なレトルトタイプの総合栄養食の中には、保存料や防腐剤無添加で2年間常温保存ができるものがあります。
また、腎臓病やアレルギーに配慮した栄養バランスに整えられているものもあり、選択次第で手作りご飯に近い犬の食事を備蓄することはできるのです。
「いざという時に大変だから、犬の食事はドッグフードがよい」という意見を頭ごなしに否定するつもりはありません。
しかし、なにやらメーカーの思惑が透けて見えてしまうのは、考えすぎなのでしょうか。
>『地震などの災害時に愛犬のご飯は何を与えればいいですか?』
今後の愛犬の健康にお役立て頂ければ幸いです。

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