老犬の手作りご飯|腎臓を守る食材選びとは
腎臓の機能は、貯金を取り崩すようにして失われていく宿命にあります。病気一つせずに長寿を全うした犬でさえ、おそらく腎機能の何割かは失われていたことでしょう。
一般的に、犬の腎臓病は腎機能の75%が失われたあたりから、「あれ?」と思うような症状が表れてくることになります。つまり、体調不良に気づいた時点ですでに残存腎機能は25%以下という、ギョッとするような数値にまで低下しているのです。
だからこそ、愛犬がシニア期に突入したら元気なうちに、腎機能という大切な貯金が目減りするスピードを抑えるための食材選びを考えましょう。
目次
犬の腎臓の重要な働きは5つ
腎臓といえば、なんとなく「オシッコを作るための臓器」というイメージがありますよね。しかし、それは腎臓が担っている役割のほんの一部でしかありません。
腎臓には命と密接につながっている大切な5つの役割があります。まずは愛犬の体の中で腎臓がどのような働きをしているかを確認しておきましょう。
犬の腎臓の働き:血液のろ過
腎臓というフィルターで血液をろ過することにより、老廃物・余分な塩分・余分な水分・摂取した有害物質・薬の成分などを尿と一緒に排泄しています。
犬の腎臓の働き:血圧の調整
血圧が下がるとタンパク質分解酵素の一種レニンを分泌し、血液中のタンパク質と反応させます。これによって血管を収縮させるホルモンに働きかけ、血圧を上昇させているのです。(腎臓のろ過機能を正常に保つために必要な働き)
犬の腎臓の働き:造血ホルモンの分泌
骨髄で赤血球を産出するように働きかけるための、エリスロポエチンという造血ホルモンを分泌します。
犬の腎臓の働き:体内環境の正常化
全身をぐるぐる巡っている血液から体が必要としている栄養や水分を再吸収し、ナトリウム・カリウム・リンなどミネラルのイオンバランスを一定に保つとともに、酸・アルカリの調整も担っています。
犬の腎臓の働き:ビタミンDの活性化
肝臓に蓄積されているビタミンDを活性化し、活性型ビタミンDへと変える働きがあります。活性型ビタミンDは腸からのリン・カルシウム吸収を促進する役割があり、骨のカルシウム吸着を高めて骨を丈夫にしてくれます。
老犬がリンを制限したほうが良い理由とは
愛犬が老犬期に突入したら食事に含まれているリンの含有量に注意し、ある程度は制限する方向で考えたほうがよいでしょう。
リンは本来、エネルギー代謝に重要な役割を持つ、大切な栄養素の一つです。細胞膜の構成成分であるリン脂質の合成にも欠かせない成分ですし、骨や歯を強くするためにも必要であることは間違いありません。
だからこそ、犬にとって最も重要な栄養素「タンパク質」の食材である肉・魚・卵・乳製品にはリンが多く含まれているわけですが…。
問題は、犬の腎機能が低下するとともに、血液中のリン濃度が高くなってしまうことです。
リンは本来、過剰になれば腎臓の調節機能が働いて、余分を尿とともに排泄しています。しかし、老犬の腎臓は加齢の影響によって機能低下が進行していることが多く、この排泄機能が追いつかなくなることに。
すると高リン血症になってしまった体はパラソルモンというホルモンを分泌し、腎臓に働きかけて血液中のリン濃度を下げようとします。
リン濃度が下がるのであれば、良いことでは?と思われるかもしれません。
しかし、問題はその下げ方。なんと、骨を溶かしてカルシウムを取り出し、リンと結びつけて排出しようとするんですね。(※リンはカルシウムと結びつく性質があるため)
しかし、腎機能が低下している犬の体では思惑通りにリンの排出が進まず、結果として骨がもろくなってしまうのです。
さらには腎臓内の血管にリンとカルシウムの結晶が沈着し、腎臓の組織にさらなるダメージを与えることに。このようにして、リンの含有量が多い食事は慢性腎不全の原因となる恐ろしい道筋を作ってしまうのです。
だからこそ、愛犬が老犬と呼ばれる年代に入ったら、体調不良が顕在化する前に食事中のリン含有量を見直しましょう。
老犬はリンを制限したほうがいいがタンパク質は極端に減らしたくない
老犬の食事はリンの含有量を減らしたほうがよい。だったら肉類の摂取量を減らしてしまえば万事解決――とはいかないところが、なんとも悩ましいところといえるでしょう。
なぜなら末期の腎不全でもない限り、食事内容から極端にタンパク質を減らしてしまうと、血流の悪化や筋肉の衰えなどにつながってしまうからです。
筋肉量が減少して血流が悪くなった体は、心臓や腎臓に負担をかけることに。つまり、老犬の健康を守ろうとしてタンパク質を必要以上に制限することは、かえって寿命を削ることにつながってしまうんですね。
そのため、一昔前まではシニア犬の食事といえば低タンパク質が定番でしたが、いまでは考え方が見直されており、おおむね中タンパク質程度が推奨されるようになりました。
実際に、慢性腎臓病の犬の食事療法においても、食事中のタンパク質を制限するのではなく、サプリメントなどを利用してリンを吸着・排出する方向が主流となっています。
慢性腎臓病の後期でさえ、極端なタンパク質制限はよしとされていません。多少のタンパク質は制限することになりますが、それでも体を維持するための摂取を前提に考え、そのうえでリンを積極的に排出する方向が選択されています。
老犬におすすめのタンパク質食材は鶏肉とブリ
リンの含有量をある程度制限しつつ、タンパク質をしっかり摂取できるおすすめの食材は「鶏肉」と「ブリ」です。
鶏もも肉と鶏胸肉はリンの含有量が少なめ
鶏肉は部位によってリンの含有量にばらつきがあります。
リンの含有量が少ない順に並べると……
鶏もも肉 < 鶏胸肉 < 鶏ささみ < 鶏レバー
もも肉が一番リンが少ないというのは、少し意外な感じがしますよね。スーパーなどで販売されている鶏ミンチはもも肉と胸肉が適度に混ざっているため、実は老犬の食材にとても適しているお肉です。
下痢や軟便をしやすい犬の食事には消化しやすいささみがおすすめですが、年をとってきたら胸肉も取り混ぜることで、リンの摂取量を軽減させることができるでしょう。
また、鶏レバーは牛肉や豚肉を含めた肉類全般の中でもかなりリンの含有量が多いため、日常的な食事の肉類としては鶏肉であってもおすすめできません。
ブリはダントツでリンの含有量が少ない
動物性タンパク質の食材として魚肉を加えるなら、おすすめはブリです。
イメージ的にはカレイやタラなどの白身魚のほうが老犬に向いていそうですが、ブリに含まれているリンの含有量はカレイやタラの約半分。
おまけにブリの脂にはDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸も含まれており、実は腎臓を守るうえでの優秀食材です。
子犬から老犬まで栄養バランスを整えた食事が健康長寿の秘訣
犬の食事において大切なのは、常に最適な栄養バランスを考えることです。
これはすべての犬に共通していることですが、子犬→成犬→老犬と進んでいく過程において、栄養バランスの形が変化していくことを忘れるべきではありません。
その時々に合った栄養バランスを考えることが、犬の健康長寿を目指すうえでの大前提です。
今後の愛犬の健康にお役立て頂ければ幸いです。
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原材料:乳酸菌生産物質末、米粉、山芋末、純国産100%本葛末、ラフィノースオリゴ糖、昆布末、アップルファイバー、イワシ末、葉酸、ビタミンB1,B2,B12,C,A,E,D
原産国:日本 内容量:20g(形状:粉末)
与え方:腸内リセットレシピ参照
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消費量:小型犬で約4~5回分(目安)
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