愛犬のコレステロール値が高い!嘔吐や下痢の原因は高脂血症かも

愛犬が嘔吐や下痢をしたとき、まずは原因を考えますよね。消化によくないものを食べた?ウイルスや寄生虫の感染によるもの?もしかしてなんらかのストレス?まさかとは思うけど炎症性腸疾患?……等々、犬が下痢や嘔吐をする原因は様々に考えられます。
とはいえ、「もしかしたら高脂血症が原因かも」と考える飼い主さんはおそらく少数派でしょう。しかし、高脂血症は犬に嘔吐や下痢の症状を引き起こす原因の一つです。
目次
犬の高脂血症とは?
高脂血症とは、血液中のコレステロール(T-cho)とトリグリセリド(TG/中性脂肪)のどちらか一方、あるいは両方の濃度が基準値を上回った状態のことです。簡単に言ってしまえば、血液中に含まれている脂質が多すぎる状態のことですね。
人間の医療では2007年から「高脂血症」ではなく「脂質異常症」という名称が使われるようになりました。犬の医療においては今も高脂血症という名称が使われることが多いようですが、最近は脂質異常症の名称もちらほら見かけます。
人間の場合、健康診断や人間ドックの血液検査でLDLコレステロール・HDLコレステロール・中性脂肪の数値が基準値を超えた結果、「あなたは脂質異常症」と判定されることになります。
しかし、犬の血液検査においては高脂血症の指標となるコレステロールやトリグリセリドの値を測らないことも珍しくありません。
そのため、愛犬の下痢や嘔吐が気になったとしても、TP(総タンパク質)やAlb(アルブミン)、あるいはALT・ASTといった肝臓の数値やBUN・Creといった腎臓の数値に比べると、飼い主さんが意識する機会が少ないのかもしれませんね。
せっかく血液検査をするのだから、全ての項目を測りたいところ。しかし、検査項目が多いと費用もかさんでいくので、なんとも悩ましいところではありますが…。

犬の高脂血症はこれといった症状が出ない場合も・・・
人間の脂質異常症が厄介なのは、自覚症状がないまま症状が進行し、気づいた時には動脈硬化を発症して心筋梗塞や脳梗塞等の重篤な疾患を引き起こす危険性が高まることです。
この、「自覚症状がないまま――」というのは、実は犬の高脂血症にもいえることです。嘔吐・下痢・腹痛といった症状がみられる一方で、何も症状が出ないことも珍しくありません。
もちろん症状が出ないからといって問題がないわけではなく、急性膵炎・眼科疾患・末梢神経の麻痺・行動異常などの神経症状を引き起こす原因になることが指摘されています。
人間の脂質異常症のように心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすことは稀とされていますが、いずれにしろ犬の高脂血症も放置してよい状態ではありません。
犬の高脂血症を治療・改善するには食事内容の見直しが必要
高脂血症の治療と改善には、食事内容の見直しが欠かせません。具体的には、食事に含まれている脂肪分を低く抑えた「低脂肪食」が基本となります。
高脂血症の治療薬を使うかどうかは、症状や原因となった疾患によるので、一概に判断できるものではありません。しかし、原因は何であれ、これまでの食事から低脂肪食への切り替えが必要になることだけは共通しています。
もちろん、肥満が原因なら適正体型に戻すためのダイエットが必要。当然のことながら、適切な運動も並行することが望ましいといえるでしょう。このあたり、人も犬も同じなんですよね。

コレステロール値・トリグリセリド値が高い犬の食事に必要な要素
高脂血症の犬の食事は、脂質を抑えた低脂肪食が基本。さらに、血液中の脂質を低下させる作用のある成分を積極的に摂取することが大切です。
- 腸内細菌(善玉菌)のエサとなる水溶性食物繊維の摂取
 - 腸内細菌(善玉菌)のエサとなるオリゴ糖の摂取
 - 血流を改善し血液中の中性脂肪値を下げるEPA・DHAの摂取
 
言うまでもありませんが、食事の栄養バランスをきちんと整えることは最重要ポイントです。あまりにもコレステロールとトリグリセリドの値が高すぎる場合、適切な投薬も必要となるでしょう。しかし、食事療法で数値が改善できるのであれば、それに超したことはありませんよね。
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高脂血症の好発種
実は、犬の中には生まれつき高脂血症になりやすい犬種がいることが判明しています。
- ミニチュア・シュナウザー
 - シェットランド・シープ・ドッグ
 - ドーベルマン
 - ロットワイラー
 
また、なんらかの疾患でステロイドを投薬している場合も、コレステロールやトリグリセリドの値が上昇しやすいことが指摘されています。
クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)・甲状腺機能低下症・糖尿病の犬も高脂血症を併発しやすいため、定期的に血液検査を受けてT-choとTGの値をモニタリングしていくことが大切です。
今後の愛犬の健康にお役立て頂ければ幸いです。

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