老犬のトリミングはオシャレ目的より衛生管理の重視が大切です

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犬の平均寿命が延びるにつれて、シニアとは思えない若々しい犬が増えました。その理由としては、犬の8割以上が空調の効いた室内で生活していること、食べ物の栄養状態が良いこと、動物医療の進化などが考えられます。

 

とはいえ、どれだけ若々しく見えようとも、老犬の体内では加齢による衰えが静かに進行しているはずです。犬が生き物である以上、これはどうしても避けられません。

 

だからこそ、見た目が若々しくても成犬時と同じように考えるのはNGです。例えばトリミングは、飼い主さんが思っている以上に老犬を疲れさせてしまいます

老犬をトリミングする目的は「清潔さ」と「きやすさ」

 

トリミングは飼い主さんが考えている以上に、老犬を疲れさせてしまうのは事実です。しかし、だからといって愛犬がシニア期に突入したら、トリミングはやめたほうが良いと言いたいわけではありません。

 

むしろ、愛犬が年を重ねて老犬期に突入したら、以前にもまして適切なトリミングが必要です。なぜなら、トリミングの本来の目的は被毛をきちんとカットすることで動きやすさを確保するとともに、体の清潔さを保つことだからです。

 

適切な頻度で老犬となった愛犬をトリミングすることにより、被毛だけではなく皮膚の衛生状態を良好に保つことができます。また、トリミングの際は全身を触ることになりますから、耳の中や爪の延び具合、肛門腺の状態をチェックすることも可能です。

 

さらには、関節になんらかの異常が出始めている場合は発見につながるなど、加齢によってあちこちにガタがきている愛犬の体の不調を、いちはやく見つけることにもつながります。

 

こうした全身の点検作業ともいえるトリミングによってスリップ事故が防止しやすくなりますし、結果として転倒のリスクを避けることもできるはずです。転倒事故がきっかけで歩けなくなってしまう老犬もいますから、定期的な被毛のカットは思っている以上に重要なのは間違いありません。

 

私たち飼い主は、愛犬をトリミングする際にどうしてもカットスタイルにこだわりたくなります。もちろん、愛犬を可愛く見せたいからトリミングすること自体は、悪いことではありません。

 

しかし、愛犬が老犬となったら見た目の可愛さだけではなく、トリミング本来の目的が「清潔さ」と「動きやすさ」を保つことだと、いまいちど思い出してください。

 

これから加齢によって体が衰えていく愛犬が、年を取ったなりに楽しく暮らせることは、飼い主さんの楽しいシニア犬ライフにもつながっています。

 

>『うちの犬の毛並みがパサパサになった!原因は栄養不足の可能性も…

 

 

トリミングは犬をかなり疲れさせてしまう作業の連続

 

一般的に、犬のトリミングには年齢制限が設けられています。もちろんサロンによってその年齢には違いがありますが、おおむね10歳前後が基準といったところでしょうか。

 

なぜ10歳を過ぎるとトリミングを断られるケースがあるのかといえば、10歳を過ぎたハイシニア犬はトリミングによる疲れにより、体調の急変リスクがあるからです。

 

「シャンプーして被毛をカットするだけなのに、そんなに疲れるかな」と思われた飼い主さん。もしかして、トリミングの一連の過程を見たことがないのでは…?

 

犬のトリミングサロンでは、一般的に次のような手順でトリミングが行われています。

 

  1. トリミングしても体調に問題がでないか健康チェック
  2. 抜け毛や汚れを落とすためのブラッシング
  3. 皮膚の状態に合わせたシャンプー
  4. 皮膚や被毛の状態に合わせたリンスまたはトリートメント
  5. 全身の被毛を乾かすためのドライヤーを使ったブロー
  6. シャンプー時に残った水分を拭き取る耳掃除
  7. 爪切り(伸びた部分のカットと仕上げのやすりがけ)
  8. 被毛のカット
  9. 被毛がバランス良くカットできているか全身を最終チェック

 

上記の工程のあいだ、犬は基本的に立ちっぱなしです。さらには自由に動き回れないよう、動きは常に制限され続けています。ハサミやバリカンなどの刃物を使うわけですから、ケガをさせないためにもこれは必要な制限ですが、「立ったまま」+「動けない」の合わせ技で疲れない犬はまずいません。

 

老犬どころか、体力がみなぎっている成犬でさえ、トリミングの後はヘトヘトに疲れていることも珍しくないのです。トリミングデビューの子犬にいたっては、トリミングから帰った日はご飯を食べなくなることも…。そのぐらい疲れてしまうわけですね。

 

トリミングは犬の衛生管理においてとても大事なことですが、犬にとってなかなかのハードワークであることは間違いなさそうです。

 

だからこそ、10歳を過ぎたハイシニア犬はトリミングを断られてしまうことがあるわけですね。なにもトリミングサロン側が意地悪をしているわけではありません。老犬は体調の異変リスクが高いので、仕方がないことなのでしょう。

 

「うちの子は子犬の頃からトリミングサロンに通っているし、トリマーさんのことが大好きで、行くたびに大喜びしています」とおっしゃる飼い主さんもいます。

 

しかし、どんなにトリミングサロンやトリマーさんのことが大好きだったとしても、犬は年齢を重ねるにつれて、いつの間にか体力は衰えていくものです。

 

飼い主がそのことに気づかないまま、いつも通りにトリミングに出したら体調を崩してしまい、それ以降体調がなかなか安定しなくなってしまった…。これでは元も子もありません。

 

>『犬のサマーカットで暑さ対策は万全?実はあまり涼しくなっていません

 

老犬のトリミングはどうすればいい?

 

愛犬がハイシニアとなった後は、飼い主さん自身の手で清潔さと動きやすさを保てるよう、自宅でのシャンプーや被毛のカットにチャレンジするのが一番です。

 

とはいえ、自分では可愛くカットできない…、と及び腰になる飼い主さんもいらっしゃることでしょう。でも大丈夫!たとえ虎刈りになってしまったとしても、ボサボサな被毛の何十倍も素敵です。むしろ、飼い主さんの手による犬の虎刈りには何とも言えない味があり、これが意外にも可愛いんですよね。

 

どうしても自分でできない場合は、動物病院や老犬ホーム併設のトリミングサロンを利用するという方法もあります。また、自宅でトリミングをしてもらえる出張トリマーに依頼するのも良いかもしれません。この場合は、事前にハイシニアであることを伝えて、無理のない範囲できれいにしてもらうのが一番ではありますが…。

 

今は行きつけのトリミングサロンを利用している若犬~成犬の飼い主さんも、この先のことを見据えてしっかり情報を収集しておきましょう。

 

 

飼い主が普段からお手入れしているとトリミングによる疲労を軽減できる

 

トリミングサロンに出すから、普段家ではとくにお手入れはしていない――これでは、トリミングが必要な犬の被毛はもつれて毛玉だらけになってしまいます。

 

この状態でトリミングサロンに連れて行くと、まずは毛玉のカットから始めなくてはいけないため、余計に時間がかかってしまうことに…。

 

時間が余分にかかれば、その分愛犬が疲れることになります。その疲れが体調不良を引き起こしてしまったら、何のためにトリミングに出しているのかわからなくなりそうですよね。

 

だからこそ、飼い主さんによる普段のお手入れが大事なのです。お手入れと聞いただけで「大変そう」「面倒くさい」と腰が引けてしまう飼い主さんもいるようですが、別に難しいことをやれと言っているわけではありません。

 

被毛がもつれないように軽くブラッシングをしたり、硬くしぼった濡れタオルで全身を拭くだけでも、犬の体は清潔さを保つことができます。特に老犬の場合は、成犬期ほどの頻度でシャンプーができない分、このような「ちょっとした」お手入れが大切なんです。

 

軽くブラシをかけたりタオルで拭きあげる程度の簡単なお手入れをしていれば、老犬を受け入れているトリミングサロンに連れていったときも、時間はかなり短縮できるはず。結果として、年老いた愛犬の疲労を軽減することができます。

 

年老いた愛犬が最期のその日までピカピカでいられるように、飼い主さんができることはいくつもあることを、どうか忘れないでください。

 

>『イプードルの比較的長い寿命はトリミングとブームのおかげ?

 

今後の愛犬の健康にお役立て頂ければ幸いです。

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この記事を書いた人

坂田剛

(株)ラクト・ラボ代表取締役。20年間健康美容業界に携わり犬達の世界が人間と同じように生活習慣病が増え始めてきたことをきっかけに15年前に犬のサプリメント販売ラクト・ラボを起業。2018年に法人化。趣味は愛犬とキャンプに行き大自然とふれあいリフレッシュすること。

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