「愛犬を長生きさせる」ためにできることは日常の中にある
昭和58年の調査によると、当時の犬の平均寿命は7.5歳程度だったとか。それが今では13歳前後になったわけですから、犬の寿命は40年程度で倍近くにまで延びたことになります。
とはいえ、13歳前後(10~15歳)という寿命を「わぁ~長生きだなぁ、13年も生きれば充分!」などと肯定的に捉えられる飼い主さんは、おそらく少数派。
できれば14歳、15歳、いやいやどうせなら20歳まで……。あと一年、もう一年と願ってしまうのが、飼い主さんの切なる願いではないでしょうか。
目次
愛犬を長生きさせるカギは「食事・運動・スキンシップ・環境」
私たち人間にしろ犬にしろ、普通に生活している中で寿命をぴったり予測することは、ほぼ不可能です。
子ども(子犬)の頃から元気いっぱい風邪一つひいたことがなかったとしても、これから先もずっと病気にかからない保証はどこにもありません。
しかし、健康のことを考えて常に摂生に努めた生活を送っている人と、すべてにおいて不摂生極まりない生活をしている人を比較した場合、前者のほうが健康に長生きできる確率は高そうですよね。
これは、犬の長生きにおいても同じことがいえるはずです。そして、大切な愛犬を長生きさせるためにできることは特別な何かではなく、「日常生活を大切にする」ことに尽きるのではないでしょうか。
<愛犬を長生きさせるために留意すべき4つのこと>
1.栄養バランスのとれた食事
2.適度な散歩と運動
3.適切なスキンシップ
4.健全な住環境
愛犬を長生きさせるためにできること:質の良い食事
ここで言う「質の良い食事」とは、「栄養バランスがとれている消化しやすい食事」のことです。値段の高いプレミアムフード、あるいは高級食材を使った手作りご飯のことではありません。
また、「消化しやすく胃腸に負担をかけない食事」は老犬期や子犬期だけに必要なのではなく、成犬期も含めた犬の一生涯に留意してこそ愛犬の長生きにつながります。
確かに子犬期や老犬期に比べて、元気いっぱいな成犬期は何でもバリバリ食べてしまう傾向にありますよね。しかし、消化によくないもの、消化しにくいものは年齢に関係なく消化・吸収の過程で体に負担をかけることになるでしょう。
「うちの犬はキュウリをまるごと一本美味しそうに食べちゃいます!」などとSNSにアップしている飼い主さんを見かけることがありますが、それはたまたま今は目に見えた不調が表れていないだけではないでしょうか。
ある日を境に軟便や下痢が続き、それ以降はお腹の調子が安定しなくなったとしても不思議ではありません。そして腸の免疫力が低下してしまったことにより、本来であればかからなくてよかった病気を発症する可能性があるとしたら…?
また、消化に良い食事とはドロドロのお粥のことを指しているわけではありません。良質な動物性タンパク質、多すぎない脂質、しっかり糊化された炭水化物、細かく刻まれた野菜といったように、犬の胃腸が消化しやすい形態に調理されている食事こそが、犬にとっての「消化しやすい食事」なのです。
健康長寿の犬は、ほとんど例外なく健康な胃腸の持ち主。愛犬を長生きさせたいなら、消化しやすい質の良い食事が欠かせません。
愛犬を長生きさせるためにできること:適度な散歩と運動
犬にとって適度な散歩と運動は、良質な食事と同様に長生きをさせるうえでの重要な要因です。これは、超小型犬であろうと老犬であろうと、なにも変わりありません。
ただし、闇雲に長時間散歩をさせればいいというわけではなく、犬種や年齢、体の状態に合わせた散歩や運動を設定することが大切です。
それほどアクティブなタイプの犬種でなければ朝晩の散歩程度で充分ですが、牧羊犬や使役犬などは20分程度の散歩ではまず間違いなく運動強度が不足することになるでしょう。
運動不足の犬は肉体面と精神面の両方においてストレスが溜まるため、そのような状態が長生きにつながるわけがありません。
しかし、ここで間違えてほしくないのは、かつては1時間でも2時間でも平気で走り回っていた犬も、年齢を重ねるにつれて体が衰えることです。
大切なのは「今」「この時」に愛犬にとって適切な散歩や運動はどの程度なのかを考えること。毎日の愛犬の体調や体の動きを観察し、適切な散歩や運動を続けることが長生きにつながります。
>『犬の散歩は食前食後を間違えると腸内環境を崩すので要注意!』
愛犬を長生きさせるためにできること:適切なスキンシップ
犬にとって飼い主にかまってもらえない孤独は、間違いなく寿命を縮める原因です。私たち現代人は何かと忙しく、あれやこれやに忙殺されることもありますよね。
しかし、人間が決めた世界の中でしか生きることを許されていない犬にとって、大好きな飼い主さんと触れ合う時間は何よりも重要なファクター。
おまけに犬達の一生は私たち人間よりずっと短く、ぼやぼやしているとあっという間に駆け抜けていってしまいます。
失ってから「もっと一緒にいればよかった」と後悔しても、時間を巻き戻すことはできません。大切な愛犬としっかり触れ合う一日一日を、どうか大切にしてください。
また、愛犬と毎日しっかり触れ合うことは、病気やケガの兆候をいち早く発見することにもつながります。体のマッサージをしていたら変なしこりを見つけた、お腹の一部に脱毛を見つけた、といった例は少なくありません。
愛犬が嫌がっているのに無理矢理スキンシップをとろうとするのは本末転倒ですが、適度なスキンシップは愛犬の長生きに不可欠です。
>『犬をキャンプに連れて行こう!ストレスの少ない過ごし方と注意点』
愛犬を長生きさせるためにできること:健全な住環境
現代の犬達が昭和の犬達より長生きするようになったのには、室内飼育が全体の8割を超えたからです。
屋外飼育の犬に比べて室内飼育の犬は適切な空調の環境下で暮らせるため、体にかかる負担が少ないという最大のメリットがあります。
また、室内飼育の犬は飼い主のすぐ近くで生活しているため、体調不良にいち早く気づくことができることも、寿命を延ばす一因となったのでしょう。
さらには内部寄生虫(回虫・フィラリア・鉤虫など)や外部寄生虫(ノミ・ダニ・マダニ)などからも遠ざけやすく、室内飼育は犬の飼い方としては理想的です。
ただし、気を付けなければいけないのはタバコの害。タバコの煙は人間だけではなく犬にとっても長生きを阻む原因となるでしょう。
仮にタバコを吸うときは換気扇の下に行っているとしても、試しに愛犬の体を嗅いでみてください。喫煙者の飼っている犬の被毛には、大なり小なりタバコのにおいがついているはずです。
タバコのにおいがするということは、被毛に副流煙の成分が付着しているということ。愛犬を長生きさせたいなら、喫煙者の飼い主さんはどうかこの事実をしっかり考えてください。
愛犬を長生きさせる秘訣は特別ではない
愛犬を長生きさせる秘訣は、どれも特別なことではありません。
元気いっぱいの子犬や成犬を見ていると、それが当たり前のように思えますよね。しかし、どんな犬もいつかは必ず年を取り、老犬となって私たち飼い主の寿命を追い越していきます。
一日でも長く元気でいてほしい――そのための魔法のような特効薬はありませんが、私たち飼い主が日常の中でできることはいろいろあるのです。
今後の愛犬の健康にお役立て頂ければ幸いです。
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与え方:腸内リセットレシピ参照
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