犬の手作りご飯に使う肉の種類|老犬におすすめの肉は?鹿肉はOK?

タンパク質には動物性と植物性がありますが、肉食寄りの雑食動物である犬の体には、断然動物性タンパク質が適しています。
……と、ここまでは誰でも知っていることですよね。しかし、いざ愛犬のご飯を作ろうとなると、どの肉を選べばいいのか迷うこともあるのではないでしょうか。
肉類ならなんでもいい――という考え方では、せっかくの手作りご飯のパワーが半減することもあります。愛犬の年齢や体質、健康状態を考えながら肉を使い分けられると、手作りご飯の世界がぐんと広がるはずです。
目次
犬の手作りご飯に肉類は欠かせない!タンパク質は体のすべてのパーツを作る材料
犬の食事における5大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル)の中で、タンパク質は犬の生命維持活動において最も重要な栄養素です。
タンパク質は筋肉・骨・皮膚・血液・酵素・ホルモンなど、体のありとあらゆる部分を作り出す元となる栄養素です。爪や腱などもタンパク質から作られますし、免疫抗体も元になる材料はタンパク質。まさしく、犬の体はタンパク質で成り立っています。
タンパク質はアミノ酸から作られている
タンパク質という呼び名は、実はかなり大雑把な括りです。タンパク質は20種類あるアミノ酸で構成されており、1つのタンパク質を作り出すには、必要なアミノ酸の種類・数・結合の順番が決まっています。
つまり、1つでも必要なアミノ酸が足りなければ、筋肉・骨・血液・ホルモン等々、体のパーツを作り出すメカニズムに影響が出てしまうわけですね。
20種類のアミノ酸には、犬が体内で合成できるものと合成できないものがあります。犬が体内で合成できない10種類のアミノ酸は、食べ物から摂取しなければなりません。これらを「必須アミノ酸」と呼んでいます。
◆犬の必須アミノ酸◆
①ヒスチジン②イソロイシン③ロイシン④リジン⑤メチオニン⑥フェニルアラニン⑦スレオニン⑧トリプトファン⑨バリン⑩アルギニン
犬の食事のタンパク質は植物性より動物性が望ましい理由
犬の食事におけるタンパク質に肉類――動物性タンパク質が適している理由は、これらの必須アミノ酸をバランス良く含んでいるからです。
植物性タンパク質では必須アミノ酸が足りなくなる可能性が高いため、植物性タンパク質はあくまでも補助的な役割と捉えるべきでしょう。

犬の手作りご飯に使う肉類の種類ごとの特徴
「肉」と一口に呼んでいても、種類や部位によって栄養成分や性質は大きく異なります。肉類を選ぶ際は、愛犬の年齢・体質・体調を考慮して選びましょう。
鶏
犬の手作りご飯に使いやすい部位:むね肉・ささみ
タンパク質が豊富で必須アミノ酸のバランスが良く、肉の中に脂質がほとんど存在しないため、犬の手作りご飯に最適な肉類です。
子犬から老犬まですべての年齢の犬に使いやすいため、犬の手作りご飯の肉類としては王道と言えるでしょう。
鶏ささみは肉質が軟らかく消化性に優れているため、下痢や軟便などお腹の調子を崩している犬の食事に適しています。
豚肉
犬の手作りご飯に使いやすい部位:ヒレ・もも
豚肉はタンパク質やビタミンB1を豊富に含む肉類です。しかし、気になるのは脂質組成。鶏肉と比較すると豚肉には飽和脂肪酸が多く、不飽和脂肪酸は少なめです。
そのため、犬の手作りご飯においてはなんらかの理由で鶏肉が使えない場合の代替、あるいは時々食べさせる程度の使い方が適しています。
牛肉
犬の手作りご飯に使いやすい部位:かた・もも・ヒレ
牛肉はタンパク質を豊富に含んでいますが、気になるのは脂質です。牛肉の脂質はほとんどが飽和脂肪酸のため、血中の中性脂肪が高くなりやすく、老犬の食事には向きません。
和牛より外国産の牛肉の方が赤みが多く脂肪は少なめですが、肉質がかたいため消化に時間がかかるのは気になる点と言えるでしょう。
老犬やお腹の調子が悪い犬の手作りご飯では、腸内で腐敗しやすいので牛肉は避けた方が無難です。
羊肉
犬の手作りご飯に使いやすい部位:ラムのもも肉
羊肉はタンパク質が豊富でアミノ酸がバランス良く含まれています。しかし、犬の手作りご飯に使う場合は部位の選択がやや難しい肉類です。
かた肉は脂質が多め、ロースはタンパク質は多いものの脂質も多く、モモは羊肉の中では脂質少なめですが、鶏肉に比べると多めです。
いずれにしろ脂質が比較的多く含まれているため、羊肉は下痢や軟便の犬の食事には向きません。健康状態に何も問題のない成犬の手作りご飯には良い肉類と言えるでしょう。
馬肉
馬肉は高タンパク低脂質で栄養価の高い肉類です。犬の手作りご飯では不足しがちな亜鉛が含まれているのは注目ポイントと言えるでしょう。
ただし、肉質がやや硬く体を冷やす作用がある肉類のため、下痢や軟便が続く時の手作りご飯には向きません。
お腹の調子に問題のない老犬にとっては、関節の腫れをおさえる効果が期待できますが、体を冷やさないよう毎日の食事には使わないほうが無難です。

老犬に鹿肉を与える場合は腎臓の数値に注意!
鹿肉は高タンパク低脂質に加え、鉄・ビタミンB1・B2を含む高栄養の肉類です。また、体を温める作用が期待できることから、老犬や病気回復期の犬のタンパク源としても優秀といえるでしょう。
ただし、高タンパクがゆえに老犬に食べさせる時は注意が必要。腎臓の数値が悪化しつつある老犬に恒常的に食べさせると、タンパク質の処理で腎臓を疲弊させる可能性があります。
老犬の手作りご飯に鹿肉を取り入れる場合は、主軸のタンパク源としてではなく、筋力維持のために時々食べさせる、といった程度にとどめておく使い方が安全と言えそうです。
犬の手作りご飯の肉類は「基本:鶏肉」「時々:その他の肉類」
犬の手作りご飯に使う肉類は、体調やお腹の調子に合わせて考えるのが一番です。鶏肉にアレルギーがなければ、基本的には鶏のむね肉やささみを使い、時々別の肉類を混ぜるといった使い方が理想的ではないでしょうか。
また、肉類から摂取する動物性タンパク質は犬にとって必要不可欠な栄養素ですが、だからといって闇雲に食べさせればよいというわけではありません。
新鮮な肉類を適量――これが健康長寿を目指すうえでの重要なポイントです。
犬のアレルギーについてはこちらの記事で詳しく説明しています。
>『犬に下痢・嘔吐を引き起こす「食物アレルギー」と「食物不耐症」の違い』
今後の愛犬の健康にお役立て頂ければ幸いです。

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