ミックス犬と雑種犬は似て非なるもの!違いを正しく知っておこう

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一昔前まで、ミックス犬といえば純血種より格下のイメージがありました。どちらも犬であることに変わりはないのに、人間とはつくづくランク付けしたい生き物なのでしょう。

 

さて、時は流れ――。

 

ここ数年の人気犬種ランキングでは、ミックス犬はトイプードルとチワワに次ぐ人気を獲得しています。当然のことながら血統書は無いにも関わらず、純血種をしのぐ勢いで子犬の販売価格も高騰。というわけで、今回はミックス犬について考えてみたいと思います。

ミックス犬と雑種犬の違いは曖昧?いやいや、しっかり線引きできます

 

少し前まで、「ミックス犬は雑種だから純血種より丈夫!」などという、とんでもないキャッチコピーを見かけることがありました。

 

さすがに今はそれなりに周知されたのか、あるいは「ミックス犬だから丈夫だと思ったのに病気にかかったじゃないか!」というクレームに影響されたのか。あからさまな「ミックス犬=純血種より丈夫」という宣伝文句は見なくなったように思います。

 

しかし、いまだに「ミックス犬は結局のところ雑種犬だ!」という論調をチラホラ見かけることも…。どちらも違う犬種が混ざっているのだから同じ意味だ、という理屈のようですが、ミックス犬と雑種犬には明確な違いがあります。

 

  • ミックス犬……父犬、母犬の両方が異なる種類の純血種であり、それぞれの血統を正確にさかのぼることができる。
  • 雑種犬……人間の明確な意図が介在しない形で、いろいろな種類の犬が何代にもわたって混ざりあっている。

 

かつて屋外飼育が当たり前だった時代、飼っていたメス犬がある日突然子犬を産んでしまった!というハプニングはそう珍しいものではありませんでした。

 

父犬はどこからともなく忍び込んできた野良犬、あるいは発情して脱走したオス犬だったりするわけですが、こういった経緯で生まれてきた子犬はまごうかたなき雑種犬。だからこそ、昭和や平成初期の雑種犬は、みんなどこか日本犬の特徴を持っていたのでしょう。

 

なんせ、屋外飼育全盛期はどこを見ても日本犬、あるいは日本犬の血を引く雑種犬だらけでしたから。

 

 

ミックス犬は雑種犬ではなくF1(エフワン)

 

ミックス犬の父犬と母犬は純血種ですが、その間に生まれてきたミックス犬は純血種とは言えません。遺伝的な観点から捉えるならば、ミックス犬はF1ということになります。

 

要するに、交雑によって生まれた一代目にあたるため、雑種第一代(first filial generation)の略称で、F1と呼んでいるわけですね。

 

F1という名称は実際には植物学で用いる分類方法ですが、ミックス犬を理解するうえでは非常に参考になる考え方です。

 

ミックス犬はF1だけど、必ずしも雑種強勢が発動するとは限らない

 

ミックス犬は、父犬の犬種と母犬の犬種のいいとこどり――と言われることがあります。これは、あながち間違いというわけではありません。

 

というのも、遺伝的に異なる両親の間に生まれたF1は、生存に有利な遺伝子が不利な遺伝子に対し優性になる可能性が高くなるからです。これを雑種強勢といい、このあたりも「ミックス犬は丈夫」という考え方につながっているのではないでしょうか。

 

ただし、ここで「そうか、だったらミックス犬はF1で雑種強勢だから純血種より丈夫!」と考えてしまうのは早計。

 

というのも、この考え方はあくまでも植物をベースとしているものであり、より複雑な遺伝子を持つ哺乳類――私たち人間や犬にそっくりそのままあてはめることはできないからです。

 

 

父犬と母犬はそれぞれ生存に有利な遺伝子と不利な遺伝子を持っている

 

たとえば、父犬の犬種に多くみられる遺伝病の因子を父犬が持っていたとします。しかし、母犬が別の犬種であることから、因子そのものは父犬から受け継いだとしても、その遺伝病を発症する可能性は回避することができます。

 

要するに、ミックス犬を繁殖させずに一代限りで飼育するのであれば、その遺伝病の心配はしなくてよい、ということになるわけですね。

 

しかし、父犬と母犬の犬種それぞれがどちらも椎間板ヘルニアの好発種だとしたら、いくらF1だろうと子犬は椎間板ヘルニア発症の可能性を排除することはできません。

 

このように、父犬と母犬はそれぞれがいろいろな遺伝子を持っています。そして、どんな骨格の特徴を受け継ぐのか、どんな口吻の形を受け継ぐのかなど、遺伝子の世界はあまりにも複雑。

 

AとBを掛け合わせたら、いいとこどりのCが必ず生まれます!――などと断言することはできないのです。

 

ポメプー(トイプードル×ポメラニアン)は、ポメラニアン特有のタヌキを思わせる愛らしいフォルムと、トイプードルのようなシングルコートで抜け毛の少ない毛質が期待される組み合わせのミックス犬。

 

しかし、実際には姿かたちはトイプードル寄りでありながら、毛質はダブルコートで抜け毛がやたらと多い犬が生まれてくる可能性もあるのです。

 

犬種の多くは「こうなったらいい」という理想像のもと、長い時間をかけていろいろな犬種を掛け合わせて形質の取捨選択をしてきた歴史があります。しかし、ミックス犬はいわば一発勝負の世界。きれいごとでは済まされないブリーディングの闇がそこにはあるのです。

 

 

ミックス犬を飼うなら、父犬母犬双方の特徴をきちんと理解しておこう

 

前述した通り、ミックス犬はF1だからこそ、父犬または母犬の持つネガティブな要素を回避できる可能性があります。しかし、同時に父犬と母犬双方の持つネガティブな要素が、両方とも発現してしまう可能性だってあるわけです。

 

こうして考えてみると、ミックス犬だからといって病気にかからないわけではなく、つまりは純血種を飼うのとなんら変わりはない、ということなんですよね。

 

>『犬の腸内環境は現代の犬の生態を知る事が鍵となる

 

今後の愛犬の健康にお役立て頂ければ幸いです。

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この記事を書いた人

坂田剛

(株)ラクト・ラボ代表取締役。20年間健康美容業界に携わり犬達の世界が人間と同じように生活習慣病が増え始めてきたことをきっかけに15年前に犬のサプリメント販売ラクト・ラボを起業。2018年に法人化。趣味は愛犬とキャンプに行き大自然とふれあいリフレッシュすること。

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