犬は里芋を食べていい!ただしシュウ酸を減らす下処理は必須です

里芋の旬は秋から冬にかけてです。今時は一年中スーパーで購入できるので、旬を忘れてしまいがちではありますが…。
里芋は甘味があるだけではなく、独特のぬめりとホクホクした食感がなんとも言えませんよね。そんな美味しい里芋を、愛犬にも食べさせてあげたい飼い主さんもいらっしゃることでしょう。
結論から申し上げますと、里芋は犬が食べられる食材です。ただし、愛犬の食事に取り入れる際には注意が必要。というのも、他のイモ類に比べて里芋にはシュウ酸が多く含まれているからです。
目次
里芋にはシュウ酸カルシウム結石の原因となるシュウ酸が含まれている
犬に食べさせるイモ類といえば、サツマイモやジャガイモが主流ですよね。「うちは里芋がメインです!」というお家は、どちらかといえば少数派ではないでしょうか。
そんな里芋はイモ類の中では低カロリー、しかも低糖質です。もちろん、さすがイモ類だけあって様々な栄養が豊富に含まれています。
こう聞くと、なんだか良い事づくめのように思えるかもしれません。しかし、里芋には絶対に注意すべきことがあります。それは、里芋は他のイモ類に比べると、シュウ酸が多く含まれていることです。
シュウ酸といえば、犬の体内でカルシウムと結びつくとシュウ酸カルシウムになります。そう、シュウ酸カルシウム結石の原因になる成分のことですね。
シュウ酸カルシウム結石の何が厄介なのかといえば、結石が溶けにくいことです。犬の結石といえばストルバイト結石もありますが、こちらの原因となる成分はリン酸マグネシウムアンモニウム(リン酸塩鉱物)。同じ結石でも、原因となる成分が違います。
シュウ酸カルシウムはストルバイトに比べて溶けにくいので、結石の治療にはより時間がかかってしまうことが多いのです。
とはいえ、下処理をすることで里芋に含まれているシュウ酸を減らすことはもちろん可能です。里芋を犬に食べさせたら結石になる!などと過度に心配する必要はありませんが、愛犬の食事を作るうえでの基礎知識として、知っておくべき事柄ではあるでしょう。

里芋に含まれているシュウ酸は下茹ですれば減らせる!
里芋は他のイモ類に比べるとシュウ酸の量が多い…、といわれても、なんとなくピンときませんよね。そこで、100gに含まれているシュウ酸の量(概算値)を比較してみたいと思います。
- 里芋/0.151g
- サツマイモ/0.103g
- ジャガイモ/0.05g
上記の3つを比較すると、里芋が一番多いのは間違いありません。とはいえ、思ったよりサツマイモにもシュウ酸が含まれていることの方に、驚かれたかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
ついでに、犬の手作りご飯で使われることの多い食材に、どの程度のシュウ酸が含まれているのかも見てみましょう。もちろんこれも概算値です。
- ほうれん草/0.99g
- ブロッコリー/0.25g
- にんじん/0.5g
- キャベツ/0.3g
- セロリ/0.19g
- トマト/0.05g
- きゅうり/0.02g
この数値を見て、「シュウ酸が多いからもうホウレンソウは使わない!」となるのはちょっと早計といえるでしょう。というのもシュウ酸は水に溶けやすい性質があるので、要は茹でこぼせばいいだけの話だからです。
これは里芋に関しても同じことがいえます。そもそも、里芋のシュウ酸は葉柄(ようへい/葉の一部で、茎や枝につながる部分)や球茎(地下茎がデンプンなどの養分を蓄えて球状に肥大したもの)に多く存在しています。
つまり、皮を厚めにむいてしっかり茹でこぼせば、シュウ酸はかなり排除することができるんですね。里芋を生で食べる人はいませんから、意識していなくても案外シュウ酸は減らせているのです。
ただし、レンジで加熱する方法はNG!加熱することで消化できる状態になったとしても、水溶性のシュウ酸はそのまま残っているからです。
愛犬のご飯に里芋を加えるときは、厚めに皮をむいた里芋をまずは下茹でし、しっかり茹でこぼしてから茹で上がった里芋をご飯に加えてください。この下処理をすることにより、シュウ酸のことを気にしなくて済むようになります。
生の野菜と一緒に生の里芋も刻み、全部一緒くたに茹でてしまったのではシュウ酸が残ってしまいますので、ここはくれぐれも注意してください。もちろん、ホウレンソウを加えるときにも同じことがいえます。下茹でのゆで汁は捨てる、これが基本です。
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犬も人間も里芋を生で食べられない理由
愛犬に里芋を食べさせるときは、当然のことながら下茹でをする加熱一択です。そもそも人間だって、里芋を生では食べませんよね。
なぜ人間も犬も里芋を生で食べてはいけないのか――。その理由は、生のままでは里芋の主成分であるデンプンを消化することができないからです。
生では消化できないデンプンを、なぜ加熱すれば消化できるようになるのでしょうか。その理由は、デンプンを水と加熱することにより、デンプンの分子が規則性を失ってアルファ化されるからです。
アルファ化されたデンプンは、酵素で分解されやすくなる性質に変化します。つまり、消化がしやすくなるわけですね。
これはお米でも同じことがいえます。生のお米は犬も人間も食べられませんよね。まあ、食べようと思えば食べられないことはないかもしれませんが、かなりの高確率で下痢や嘔吐をすることになるでしょう。
運よく下痢や嘔吐をするはめに陥らなかったとしても、生米は消化されずにそのまま排泄されることになります。ところが、生米は炊く(水を加えて加熱する)ことで、人間も犬も消化することができるようになりますよね。
これは水と加熱によって米のでんぷんがアルファ化したからこそ、生米が食べられる(消化できる「ご飯」に変化したわけです。
まあ、里芋に限らずジャガイモも小麦粉も米も、とにかくデンプンをたくさん含んでいる食材は、消化するにはすべて加熱することが前提となります。
ただし、山芋や長芋は例外。なぜ生で食べられるのかといえば、デンプンを分解する消化酵素のジアスターゼ(アミラーゼ)を豊富に含んでいるからです。同じイモ類でもいろいろありますよね。

里芋に含まれている犬の健康に良い効果が期待できる成分
里芋は犬が食べられる食材だということはわかったけれど、そうなると気になるのは含まれている成分ではないでしょうか。
せっかく愛犬に里芋を食べさせるのですから、犬の体に良いものが含まれていてほしいものです。里芋にはいろいろな栄養成分が含まれていますが、その中でも犬の体に良い効果が期待できるものをご紹介しましょう。
犬の健康効果が期待できる里芋の成分:カリウム
里芋のカリウム含有量は100グラムあたりでおよそ640ミリグラムであり、これはイモ類の中ではトップクラスです。
カリウムには塩分(ナトリウム)を排出する役割があることから、利尿作用によるデトックス効果はもちろんのこと、血圧を下げる効果も期待できます。
ただし、腎臓の数値が悪化している犬は要注意!カリウムを正しく排出できず、高カリウム血症を引き起こす危険性があるので里芋は避けたほうがよさそうです。
犬の健康効果が期待できる里芋の成分:ガラクタン
あまり聞き慣れない成分ですが、実はガラクトースが多数つながった多糖類のことです。簡単に言ってしまえば、タンパク質と炭水化物の複合体のことですね。
里芋の皮をむくとヌルヌルしています。それこそがガラクタンであり、水溶性の食物繊維に分類されるものです。
このガラクタンですが、腸内環境の改善を促す成分として注目されています。また、血管壁にコレステロールが付着するのを防いだり、免疫力や脳細胞を活性化させる効果が期待できます。
さらには胃壁や腸壁を保護し、がん細胞の増殖を抑制する効果もあると考えられています。なかなかにスゴイ成分ですよね。
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犬に食べさせる里芋の適量(目安の量)
里芋に限ったことではありませんが、食材に関して本来であれば「適量は〇グラム」と言い切れるものではありません。なぜなら犬の体質や健康状態には、確実に個体差があるからです。要は犬個々で適した量は違ってくるわけですね。
とはいえ、ある程度目安の量がないと戸惑われてしまうと思います。というわけで、だいたいこれぐらいかな?というおおまかな目安の量を考えてみました。
- 体重5kg前後の小型犬 → 35g程度
- 体重13kg前後の中型犬 → 70g程度
- 体重30kg前後の大型犬 → 180g程度
5cm×4cm程度の里芋水煮(皮をむいて茹でたもの)1個が、だいたい30~40g程度です。ということは、喜ぶからといって小型犬に2個も3個もオヤツとして里芋を食べさせてしまったら、それは間違いなく過剰となります。くれぐれも、与える量には注意してください。
「そんな、ちょっとぐらい食べさせ過ぎても大丈夫でしょう?」と思われるかもしれませんが、食物繊維が豊富に含まれていますので、消化不良を起こす可能性があります。せっかくの健康食材が胃腸の不調を引き起こしたら、元も子もありません。
里芋に限らずすべての食材は、適量を与えてこそ健康効果が期待できるのです。
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今後の愛犬の健康にお役立て頂ければ幸いです。

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