犬の免疫力低下は皮膚病の原因!ニキビダニ症・アカラス・毛包虫症

ニキビダニ症・アカラス・毛包虫症・デモデックス。呼び名はいろいろありますが、これらはすべて犬の毛包(毛を産生する管状の付属器官)や、皮脂腺に寄生している毛包虫によって引き起こされる皮膚病です。
ただし、寄生されているといってもダニやノミのようなタイプとは全くの別物。健康な犬の皮膚にも存在している常在菌に近い寄生虫で、基本的には悪さをすることはありません。
そんな毛包虫が異常に増殖して悪さを始めたとしたら――。あなたの愛犬の免疫力は、確実に低下しています。
目次
毛包虫の感染ルートは母犬から!つまり完全に防ぐことは難しい
常在菌に近いとはいえ、異常増殖によって悪さをするぐらいなら、できればいてほしくない存在ではありますよね。
しかし、毛包中は母犬から母乳を与えられる際に感染すると考えられていることからも、完全に防ぎきることはかなり困難といえるでしょう。
つまり、毛包虫の増殖によって毛包虫症(アカラス・ニキビダニ症・デモデックス)を発症させないためには、愛犬の生涯にわたって免疫力が低下しないように気をつけるしかないのです。

犬の毛包虫症の症状とは?
愛犬に次のような症状がみられたら、毛包虫症を発症しているかもしれません。すみやかに治療を開始しなければ、症状がどんどん悪化していくことになるでしょう。
- 目や口の周りの脱毛
- 足先の脱毛(特に前足の脱毛に注意!)
- フケの増加
実は、単純な毛包虫症だけを発症している場合、皮膚の赤みや発赤などはあまりみられません。そして、痒みの症状を引き起こすことも、ほぼないと言われています。
じゃあ、毛包虫症にかかったとしてもあまり大騒ぎする必要はないのかも、と思いたいところですが、そうは問屋が卸しません。
というのも、免疫力が低下して毛包虫症を発症する状況では、皮膚の常在菌であるブドウ球菌も異常増殖していることが多く、そのせいで強い痒みを引き起こすことが珍しくないからです。
その結果、皮膚を掻いたり噛んだりするうちにどんどん傷がつき、そこからまた新たな感染によって皮膚病がどんどん悪化していくという、負のスパイラルに陥ることになるわけですね。
毛包虫症が悪化していくと、次のような症状がみられるようになります。
- 強烈な痒み
- 全身の脱毛
- 皮膚の腫れ
- 掻き壊しによる出血や内出血
- 皮膚のただれ(細菌感染)
つまり、目や口の周り、あるいは足先の脱毛という初期段階で異常に気づき、なおかつ適切な対処を速やかに開始しなければ、その先は四六時中愛犬が苦しむことになる可能性が高くなるのです。
また、毛包虫症をきっかけに皮膚病をこじらせてしまった場合、完治まではかなり長い道のりになることも。治ったと思ったら再発、治ったと思ったらまた再発――。
そんな事態にならないためにも、とにかく早期に発見することが大切です。もちろん、それより大切なのは、免疫力が低下しないように日頃からケアをすることではありますが…。
毛包虫症(ニキビダニ症)にかかりやすい犬種とは?
毛包虫症はどんな犬でも発症する可能性はありますが、実は好発種が存在しています。
- ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア(ウェスティー)等のテリア種
- チワワ
- トイ・プードル
- シー・ズー
- マルチーズ
- パグ
- フレンチ・ブルドッグ
- 柴犬
- ブルドッグ
- ラフ・コリー
- グレート・デーン
なんとなく傾向が見えてきませんか?そう、顔にシワの多い短頭腫や被毛の長い犬種などに発症が多いんですね。また、中型犬から大型犬は若年での発症が多いと指摘されています。

子犬・成犬・老犬が毛包虫症を発症するきっかけとは?
どの年代の犬であろうと、毛包虫症を発症する一番の原因は免疫力の低下です。しかし、そのきっかけについては、年代別にある程度特徴があると考えてよいでしょう。
子犬が毛包虫症にかかるきっかけ
子犬は皮膚のバリア機能が未熟です。そのため、ちょっとした体調不良から毛包虫症にかかることも珍しくありません。
- 慣れない環境(新しい飼い主)でのストレス
- 伝染病予防ワクチン接種による体調の変化
- 内部寄生虫の感染
- 栄養不良による体力低下や発育不全
子犬の体は内臓や骨はもちろんのこと、皮膚や被毛もすべてが未発達な状態です。これからすくすく健康な体の犬に育てるためにも、免疫力を落とさないようにお腹のケアは最重要事項と考えましょう。
成犬が毛包虫症にかかるきっかけ
本来であれば体力・気力ともに充実しているはずの成犬が毛包虫症にかかるとしたら、そこにはなんらかの疾患や治療などが影響していることが多いと考えられます。
- ステロイド・免疫抑制剤・抗がん剤などの長期投与による免疫力低下
- 精神的または肉体的なストレス
- 発情によるストレス
- 妊娠・出産による一時的な体力低下
- 手術後の一時的な体力低下
アレルギー性皮膚炎の治療で長期のステロイド治療をしている犬は、毛包虫症を発症しやすくなることが指摘されています。
皮膚病の治療が原因で別の皮膚病を発症するなんて、なんともやりきれませんよね。だからこそ、日常的に免疫力をアップさせる食事が必要なんです。
老犬が毛包虫症にかかるきっかけ
老犬は加齢によって体の機能そのものが低下してしまうため、どうしても免疫力が低下しやすくなります。そのため、毛包虫症を発症する可能性も高くなりますが、気をつけなければいけないのはなんらかの疾患が隠れていることです。
- クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
- 甲状腺機能低下症
- 糖尿病
- 肝疾患
- 腫瘍
こういった基礎疾患が隠れている場合は、これらの病気の治療をしなければ皮膚の状態は改善しません。脱毛を「年だから仕方ない」と考えれば、重篤な病気の兆候を見逃すことになるでしょう。
免疫力が低下していない老犬は、意外なほどきれいな被毛を保ちづけ、「若く見えるねぇ!」とほめられることも珍しくありません。脱毛や被毛のパサつきに気づいたら、それは免疫力が低下しているサインと考えてください。

毛包虫の治療がさらなる病気のきっかけにならないように
愛犬が毛包虫症にかかったら、治療には駆虫薬が使われます。さらにはシャンプー療法で増えすぎた毛包虫をこまめに洗浄する必要に迫られることにもなるでしょう。
また、皮膚が細菌感染している場合は、抗菌薬も使わなければならなくなります。
そうなんです。毛包虫症を悪化させてしまうと、治療にはかなりの日数を要することになり、飼い主も大変ですが、愛犬もずっと辛い状態が続くことになるんですね。
おまけに、駆虫薬やら抗菌薬やらを飲み続けることによって腸内環境が悪化し、ありとあらゆる病気の原因になる可能性も考えられます。
だからこそ、日頃から免疫力が低下しないように心がけることが大切。毎日の食事で腸をケアすることが免疫力アップにつながります。腸の健康は全身の健康につながっているのです。
>『犬の「腸活」基礎知識|腸の温度を上げないと腸内環境は改善しない』
今後の愛犬の健康にお役立て頂ければ幸いです。

【 個別無料電話相談 】

■同じ下痢であっても、同じアルブミン低下であってもその子のこれまでの生活環境、食事、薬の経歴によって全くアドバイスが変わってきます。この子に合わせた個別アドバイスを受けられてはいかがでしょうか?
※無料相談では商品の購入は受け付けておりません。アドバイスのみとなります。また、お名前をお聞きすることもありません。安心してご相談ください。
※【 個別無料電話相談もございますが、お急ぎの方は直接ご連絡ください。】
※【 お問合せメールでのアドバイスは行なっておりません。お電話又はLINE電話のみの対応となります。ご了承ください。】
※ お急ぎの方は今すぐお電話ください。直ぐにコチラからかけ直します。
【電話受付時間】10:00〜16:00
【定休日】土日祝日(臨時休業あり)
年末年始、GW、夏季休暇
次の記事へ