犬はビタミンCとKを合成できるけど必要量に達しているとは限らない

犬は体内で「ビタミンC」と「ビタミンK」を合成することができます。しかし、合成できるからといって、必要量に十分足りているとは限りません。
その昔は「合成できるから積極的な摂取は必要ない」と考えられていました。しかし、現在は必要量に足りないことで生じるデメリットの多さが指摘されています。というわけで、今回は犬が体内で合成できるビタミンについて考えてみましょう。
目次
犬が体内で合成できないビタミンは全部で12種類
犬が体内で合成できないビタミンは、食べ物から摂取しなければなりません。その種類は水溶性と脂溶性を合わせると、全部で12種類です。
- 水溶性ビタミン → ①ビタミンB1 ➁ビタミンB2 ③ビタミンB6 ④ビタミンB12 ⑤パントテン酸 ⑥ナイアシン ⑦葉酸 ⑧ビオチン ⑨コリン
- 脂溶性ビタミン → ⑩ビタミンA ⑪ビタミンD ⑫ビタミンE
上記に体内で合成できる「水溶性のビタミンC」と「脂溶性のビタミンK」を合わせると、犬の体に必要なビタミンは全部で14種類ということになります。
>『犬の貧血は鉄分不足とは限らない!ビタミンB12が足りないのかも…』

犬が体内で合成できるビタミンCの量は全然足りていない
犬は体内にグロノラクトン酸化酵素(GLO)という酵素を持っているため、ブドウ糖などを原料に、肝臓でビタミンC(アスコルビン酸)を合成することができます。
ところが、問題はその合成能力です。犬が1日に合成できるビタミンCの最大量はだいたい60mg程度といわれ、この合成能力は小型犬から大型犬まで大差ありません。
そして、犬が一日に必要としているビタミンCの量は……
- 小型犬 → 500mg
- 中型犬 → 1500mg
- 大型犬 → 3000mg
「え、桁を間違えてるんじゃないの?」と何度も見直してしまうほど、体内で合成できる量と必要量には差があるんですね。
体重5kg程度の小型犬であれば、体内で合成できるビタミンCの量はそこそこ役に立ってくれそうです。しかし、中型犬や大型犬ともなれば、もはやお話にならないレベル。
とてもではありませんが、「犬は体内でビタミンCを合成できるから食事からの積極的な供給は必要ない」とは言えませんよね。小型犬であれば栄養バランスの整った食事でなんとかなりそうですが、中・大型犬は積極的に考える必要がありそうです。
また、ビタミンCが肝臓で合成されることもしっかり考慮しなければなりません。そう、もしも加齢や病気によって肝臓の機能が落ちているとしたら…。当然のことながらビタミンCの合成能力も比例して低下してしまうわけです。
おまけに現代社会を生きる犬達は、私たち人間と同様に様々なストレスにさらされています。ビタミンCはストレス耐性に必要なビタミンですから、どんどん消耗されることになるでしょう。とてもではありませんが、体内合成だけでまかなうことは不可能なんです。
>『【犬の手作りご飯】ビタミンB群の中身は8種類+番外編のコリン』
ビタミンKの合成量は腸内環境と密接につながっている
脂溶性のビタミンKは、犬の体内で血液凝固や骨の石灰化の調整などに必要とされています。そんなビタミンKは腸内細菌によって合成されているため、必要量がきちんと合成できるかは腸内環境に大きく影響されてしまうんですね。
腸内環境の悪化によってビタミンKが不足してしまうと、血液が凝固しにくくなることから、全身のあらゆる部位で出血が多くなる危険性が高まります。
切り傷や擦り傷で血が止まりにくくなるだけではなく、体の内側――内臓での出血も止まりにくくなるわけですね。私たち飼い主が肉眼で確認しにくい部位での出血と考えるだけで、とてつもなく恐ろしくなりませんか?
もちろん、口の中や鼻の中など、粘膜に関しても同様です。
出血が長引けば貧血を引き起こす可能性があるわけですから、とてもではありませんが、血液が凝固しにくいことは体にとって良い状態なわけがありません。
また、骨の石灰化に問題が生じると骨がもろくなってしまうため、ちょっとしたことで骨折したり骨粗鬆症を引き起こしたりすることが考えられます。
このように血液凝固や骨の健康は、思いのほか腸内環境と密接につながっているんですね。腸内環境が悪化すると下痢・軟便・便秘といった問題がクローズアップされがちですが、実は全身の健康に直結しているのです。

「体内で合成できる」+「食事からしっかり摂取」することが大切
ビタミンCとビタミンKは、犬が体内で合成できるビタミンです。しかし、体内で合成できる量だけでは、とてもではないけれど足りそうにもありません。
かといって、体内合成はあきらめて食事からの摂取だけに頼り切ってしまうことも、これまた悪手といえるでしょう。
大切なのはビタミンCをしっかり合成できるように、肝臓の機能を向上させること。さらにはビタミンKを十分に作り出せるように、腸内環境を良い状態に整えることです。
肝機能と腸内環境に問題がない犬は、健康長寿への切符を手にしていると言っても過言ではありません。
>『【現代の犬の健康】は、腸を温める食事の継続が必須条件となる』
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