トイプードルの下痢|健康寿命を延ばすなら栄養不足は絶対NG!
日本はトイプードル天国と表現したくなるぐらい、トイプードルが大人気です。見た目が良く知能は抜群、身体能力まで高いとくれば、人気が出ない方がおかしいですよね。
世界的に見てもプードルは人気の高い犬種です。しかし、日本と欧米では決定的な違いがあります。日本で人気のトイプードルといえば、平均体重は3~4kg程度。これに対し欧米で支持されているプードルは6kg前後と、日本のトイプードルほど小さくありません。
日本人の中に刷り込まれてしまった「トイプードルはかなり小さい」という概念。そのせいで、トイプードルが栄養不足に陥ることがあります。
トイプードルの下痢で悩む飼い主様からのご相談を併せてご覧ください。
>『トイプードルに下痢止を飲ませていますが、薬をやめるとまた下痢になります』
目次
トイプードルを小さく成長させたい!食事量を減らすと栄養失調の原因
トイプードルは小さければ小さいほど良い――この奇妙な概念は、そのまま子犬の販売価格に直結しています。
「この子犬は両親ともに2~3kg台の極小サイズなので、この子も将来は3kg以下の小さなトイプードルになりますよ」
もしも、ブリーダーからこのように説明された子犬がスクスク成長し、4kgはおろか5kgも超えそうになったとしたらどうしますか?
普通に考えたら、「うちの子は想像していたより大きくなったなぁ」で済まされそうですよね。しかし、ここに人間の見栄や損得が絡んでくると、飼い主さんの中にはギョッとするような選択をする人がいます。
――高いお金を出して買ったのに…。これ以上大きくならないよう食事の量を減らそう。
この選択は、どんなことがあっても絶対にしてはいけません。なぜなら必要量に満たない食事は栄養不足を招くことになり、犬の健康を損ねるからです。
タンパク質不足の体は体温を維持できず、腸が冷えて免疫力低下へ一直線
トイプードルが必要としている食事量を制限すると、犬にとって最も重要な栄養素「タンパク質」が確実に不足します。タンパク質が不足した体は筋肉量が減り、正常な体温を維持できなくなるでしょう。
タンパク質は内臓・骨格・筋肉・皮膚・被毛・血液・ホルモン等々、ありとあらゆる体のパーツを作る原材料になる栄養素です。タンパク質が不足した体は細胞の代謝が進まず、老廃物(毒素)は溜まり放題。体温が維持できなくなった体は腸の温度が冷え、免疫力もどんどん低下することに…。
その結果、下痢や血便はおろか関節の炎症、内臓疾患、果ては心臓疾患やガン発症の確率が上がるなど、無駄に食事を制限して良いことは一つもありません。
犬の腸の冷えと下痢についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
トイプードルの食べムラを甘やかすと、意図せず栄養不足に陥ることも
「うちのトイプードルは4kg以上あるけど、可愛い我が子だから体格は気にしません」という飼い主さんも要注意です。
と言うのも、トイプードルは病気や体調不良ではなくても、食べムラのある子が多いですよね。「何も食べないと心配だから」という理由でオヤツばかり食べさせていると、気づかない間に栄養不足になっていることがあります。
トイプードルといえば、クルクルの巻き毛が魅力的な犬種です。テディベアカットのトイプードルは生きているヌイグルミのように可愛いですが、シャンプーすると思いのほか顔が細くてびっくりしたことはありませんか?
それと同じことは体でも起こります。トイプードルは被毛がふっくらしているせいで、体の痩せすぎが目立ちません。
「太っているよりまし」と思われるかもしれませんが、栄養不足で痩せすぎてしまうぐらいなら、実は「太っているほうがまだまし」です。そのぐらい、栄養不足によって痩せすぎてしまった体は、不健康そのものなんですね。
だからと言って、太っていることを肯定しているわけではありません。犬の健康を考えたら、太っても痩せてもいない「適正体型」こそがベストです。
トイプードルの健康長寿に必要なのは、きちんと栄養摂取できる消化しやすい食事
本気で愛犬の健康長寿を目指すなら、栄養バランスの整った食事は欠かせません。ただし、どんなに栄養が詰まった食事も、栄養素を吸収できる消化器(胃腸)あっての物種です。
トイプードルの食べムラに頭を悩ませているなら、「何なら食べてくれるか?」ではなく、「栄養はちゃんと摂取できているのか?」を基本に考えましょう。
そしてお腹の調子が敏感になっていると感じたら、早めに腸の温活食を取り入れることが大切。腸の活力を取り戻す食事は、間違いなく健康長寿につながっています。
>『犬の突然の下痢の対処法と改善方法を解説』を併せてご覧ください。
今後の愛犬の健康にお役立て頂ければ幸いです。