犬は走るのが大好き!ストレス発散に効果的な散歩とは
愛犬を散歩させる時、多くの飼い主さんは当たり前のように歩いていますよね。「散歩」という言葉の意味を辞書でひくと「気晴らしや健康のためにぶらぶら歩くこと」とありますから、犬の散歩で歩くのは当たり前のことですが……。
犬の健康維持に散歩は欠かせません。散歩で外の世界を歩かせることは「健康維持」と「健全なメンタル維持」の両面において不可欠です。
しかし、ここで知ってほしいのは犬が走ることの重要性。犬が走ることには歩くだけでは得られないメリットがあります。
目次
犬は本来走るのが好きな生き物
室内飼育の犬が8割を超える現代では、犬が家の中でのんびりしている姿は珍しいものではなくなりました。
一年中空調のきいた室内で暮らせる犬はとても幸せですが、本来犬は外の世界を走ることが自然な生き物です。
狆などは交配と改良の関係で股関節がユルユルになり、あまり走らせないほうがいい犬種といわれていますが、こういったケースは単なる例外。
基本的には超小型犬のチワワだろうがテディベアそっくりの可愛いトイプードルだろうが、みんな本来は本能的に走ったほうがいいはずです。
その証拠に、いつもは家の中でまったりしている犬も、ドッグランなどで走り回る時はいきいきとした表情を見せてくれますよね。
それもそのはずで、犬にとって「走る」という行為には、「歩く」だけでは得られないメリットがあるからです。そのメリットとは「脳内麻薬」の分泌です。
犬の散歩についてはこちらの記事でも詳しく説明しています。
>『犬の散歩は食前食後を間違えると腸内環境を崩すので要注意!』
犬は走ると血中の内因性カンナビノイド値が上昇する
犬が「歩く」ことと「走る」ことには、速度以上の違いがあります。前項で述べた俗称「脳内麻薬」とは、正式名を「内因性カンナビノイド」といいます。これは、脳内で分泌される生理活性物質の総称です。
なにやら小難しい言い回しになりましたが、簡単に言い換えるなら「楽しい」「嬉しい」「幸せ」と感じるために脳が分泌する物質のことですね。
いわゆるランナーズハイもこの内因性カンナビノイドの成せる業です。走るという体に負荷のかかる行為の辛さをやわらげるために、脳がカンナビノイドを分泌した結果、走ることで得られる体の感覚が気持ち良くなるという作用ですね。
犬が走ることを辛いと感じているかは別にして、少なくとも走るという行為によって犬の血液中の内因性カンナビノイド値が上昇することは間違いありません。そして、ただダラダラ歩くだけではカンナビノイド値が上昇しないことも確認されています。
ただし、勘違いしてほしくないことが一つ。それは、走ることでしか内因性カンナビノイド値を上昇させられないとはいえ、犬の散歩では歩かせることも間違いなく重要だという事実です。
犬のストレス解消に効果的な散歩は「歩く」+「走る」
大好きな飼い主さんとのんびり歩く散歩には、じっくり周囲のにおいを嗅いだり、いろいろな音を聞くという大切な役割があります。
となると、走るという行為が血中の内因性カンナビノイド値を上昇させるわけですから、最強の散歩は「歩く」と「走る」のハイブリッドとは考えられないでしょうか。
日常的にジョギングやランニングをしていない飼い主さんにとって、散歩の始めから終わりまで走ろうとしても、正直なところあまり現実的ではありませんよね。
しかし、基本的には歩くけれど、散歩の途中で時々走ったりダッシュをする程度なら、なんとかこなせそうだとは思いませんか?
もちろん、ドッグランのように安全に犬を走らせられる場所があるのであれば、散歩の途中で立ち寄って愛犬を思う存分走らせるのも良いでしょう。
要は、いつもの散歩に「走る」というエッセンスを少々加えることで、内因性カンナビノイド値を上昇させられればいいのです。
犬のアウトドアについてはこちらの記事でも詳しく説明しています。
>『犬をキャンプに連れて行こう!ストレスの少ない過ごし方と注意点』
老犬や体調不良の犬に無理は禁物
犬は走ると血中の内因性カンナビノイド上昇によってストレス発散できますが、だからといって闇雲に走らせればいいというものではありません。
足腰を痛めない程度のスピードや距離をきちんと見極めることは、飼い主さんの務めです。わざわざ言うまでもありませんが、老犬や体調不良の犬を無理に走らせれば、ストレス解消どころか体調悪化の原因になるでしょう。
ただし、老犬であろうと体調が許すのであれば、少し走らせてみてもいいかもしれません。早足程度であろうと、いつもよりほんの少しだけ負荷をかけた散歩は、意外なほど犬を満足させてくれるものです。
というわけで、全身の血の巡りを良くして内因性カンナビノイドの分泌を促進できたら、愛犬の健康長寿に一役かってくれるのではないでしょうか。
犬の健康に欠かせない腸内環境についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
今後の愛犬の健康にお役立て頂ければ幸いです。
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