どうしよう、愛犬のアルブミン値が低い!そもそもアルブミンって何?
愛犬の下痢が何日も続いていると、「何か傷んだものを食べた?」「新しいドッグフードがお腹に合わなかった?」などといろいろ考えますよね。
とりあえず動物病院で処方された下痢止めと抗生物質を飲ませれば、すぐに良くなるはず。ところがお腹の調子は一向に安定せず、血液検査の結果、アルブミンの低値を指摘されることがあります。
飼い主さんは予期せず、愛犬の低アルブミンと向き合うことになるわけですが…。そもそも、アルブミンとはいったいなんなのでしょうか。
目次
アルブミンが正常に働かないと健康な体は維持できない
アルブミンとは、私たち人間はもちろんのこと、犬や猫など動物の血液に多く含まれているタンパク質の一つです。
血液の液体成分である血漿(けっしょう)には100種類以上の血漿タンパク質が溶け込んでいますが、その中でアルブミンが占める割合はなんと約60%!
主要なタンパク質なだけあって、その役割にはかなり重要なものがあります。まさに生命維持に直結していると言っても過言ではありません。
アルブミンの役割①体内の水分バランスの保持
血漿の中にアルブミンが高い濃度で溶け込んでいることにより、血管外の水分を血管内へと引っ張る圧力として機能しています。要するに、アルブミンが血液中の水分を適切な量に保ってくれているわけですね。
アルブミンの役割②栄養や代謝物質の運搬
アルブミンはビタミン・脂肪酸などの栄養や、代謝物質・薬剤・ホルモンといった様々な分子を体の至る所に運搬する役割を担っています。この働きがないと、物質は体内で必要な機能を果たすことができません。
アルブミンの役割③ 血液のpHを安定させる機能
主に肝臓で合成されているアルブミンには、たくさんの酸性・塩基性アミノ酸残基が含まれています。そしてこれらを変動させることにより、pHを安定させているのです。
要するに、体内のpHを安定させるために、血液の酸性やアルカリ性の変動を抑える働きを担っているわけですね。
アルブミンの役割④体内の抗酸化作用
アルブミンには、酸化ストレスの原因となるフリーラジカルを補足する能力があります。この働きによって、細胞を損傷から守っているのです。
アルブミン値が低下すると栄養を体に行きわたらせることができない
前項で述べたアルブミンの働きは、どれも体を維持するうえで重要なものばかりだと思いませんか?つまり、これだけ重要なアルブミンの数値が低くなるということは、愛犬の体内ではアルブミンが必要量に達していないことを示しているわけです。
そのような状態が、体に良い状況をもたらすはずがありません。
アルブミンの値が低下するとビタミン・ミネラル・脂肪酸などの栄養はもちろんのこと、酵素やホルモンなども体に行きわたらなくなります。
また、薬の成分も体の必要な場所へ届きづらくなるわけですから、服薬しても効果が上がらないのは、ある意味当たり前のことなんですよね。
つまり、下痢を止めるために下痢止めを服用したところで、薬の成分を運ぶアルブミンが足りないわけですから、効かなくても不思議はないわけです。薬の種類を変えようが量を増やそうが、成分の運搬役が足りないわけですから、効果があがるはずもありません。
>『犬の低アルブミンからの回復は老廃物を排泄させる事が重要。』
アルブミンのことを知れば薬に頼る前にすべきことがわかるはず
愛犬が下痢や軟便に苦しんでいる時、薬を飲めば良くなると考えるのはある意味当たり前のことではないでしょうか。なぜなら医療関係者でもない限り、通常はアルブミンについてあれこれ考える機会などそうはないからです。
だからこそ、血液検査の結果、愛犬の低アルブミンを指摘されると多くの飼い主さんは途方に暮れてしまうことに…。
そして、動物病院で処方されるままに、投薬やステロイド治療を続けることになるわけです。それなのに、期待したように改善しないと、どうすればいいかわからなくなりますよね。これはかなり辛い状況といえるでしょう。
しかし、アルブミンとは何なのか、アルブミンが愛犬の体の中でどのように働いているのかを知ることにより、アルブミン値を上げるための突破口が見えてくるはずです。
アルブミンの値が低下してしまった犬に必要なのは、腸内環境を整えること。腸の温度を上げて腸内環境を善玉菌優勢の状態にし、腸管の炎症や損傷を修復しなければ、アルブミン値上昇へのスタートは切れません。
腸を健全な状態に戻すことが、遠回りなように見えてもアルブミンの数値を上げるためには必要不可欠なのです。
>『犬のアルブミン低下の改善は下痢のメカニズムを知らないと治せない。』
今後の愛犬の健康にお役立て頂ければ幸いです。
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