食いしん坊の犬は急性胃腸炎にかかりやすい!原因は誤食と過食
元気いっぱいで食欲旺盛な犬といえば、病気とは無縁のような気がしますよね。しかし、意外なほど、この手の犬の多くが経験する病気があります。
――それは「急性胃腸炎」です。
「どうせ食べすぎでお腹が痛くなるとか、その程度のことでしょう?」などと甘く考えてしまうのは厳禁。
元気のありあまった食いしん坊の犬だからこそ、ときとして重篤な胃腸障害をまねくことがあるのです。
目次
犬が急性胃腸炎になる原因は一つじゃない
犬が急性胃腸炎を引き起こす原因には、いろいろなケースが考えられます。
- 犬の食べ物ではあるものの、食べ慣れないことが原因の消化不良
- 犬の食べ物ではない食べ物を誤食したことによる消化不良
- 腐りかけ、あるいは腐ったものを食べたことによる食中毒
- 毒性のある植物(野菜・果物を含む)を食べたことによる中毒
- 化学薬品などを口にしたことによる中毒
- 食べ物ではない異物を誤食・誤飲したことによる消化器障害
- 食べ過ぎによる胃腸の疲弊(過食)
- 精神的なストレス
- 食物アレルギー
このうち、元気のありあまった食いしん坊の犬が胃腸炎を引き起こすとしたら、該当しそうな原因は何番だと思いますか?
そう、2~7までと、実に大半を占めているんですね。
1の消化不良はどの犬にも当てはまることですし、ある程度は飼い主さんの管理によって防ぐことが可能といえるでしょう。
また、8の精神的ストレスと9の食物アレルギーは、犬が生まれ持った気質や体質が大きく関わってきます。急性胃腸炎の治療だけで対処するのは難しいため、根本的な原因に対するアプローチが必要になることは間違いなさそう。
では、2~7までの原因に関しては、どうでしょうか。
これらの原因については、とにかく飼い主さんがひたすら気を付けるしか防ぐ方法はない、と言わざるを得ません。
このあたりは、元気いっぱいで食欲旺盛な犬の飼い主さんは、身に染みるほど理解されているのではないでしょうか。
急性胃腸炎になりやすい犬種に共通するのは「活発」と「食欲」
実際のところ、急性胃腸炎にかかりやすい犬種は存在します。
- ビーグル
- ミニチュア・ダックスフンド
- ポメラニアン
- パグ
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- ラブラドール・レトリーバー
- ゴールデン・レトリーバー
代表的な犬種をあげましたが、「この犬種だから急性胃腸炎にかかりやすい」と言いたいわけではありません。
これらの犬種が急性胃腸炎にかかりやすいのは、元気がありあまっていて食欲旺盛であるがゆえに、誤食事故を起こしやすいからです。
当然のことながら、上記の犬種だけが胃腸炎にかかりやすいわけではなく、雑種やミックス犬を含め、活発で食欲旺盛な犬はすべからく該当するわけですね。
急性胃腸炎になりやすいのは年齢が若い犬
さて、胃腸の調子が悪いといえば、なんとなくシニア犬を思い浮かべたくなりませんか?シニア期の犬が胃腸の調子を落としやすいのは事実ですが、その原因は加齢による消化機能の衰えです。
一方、子犬期の下痢や嘔吐の原因の多くは、内部寄生虫やウィルス感染が疑われます。新たな環境に慣れないという、精神的なストレスの可能性も考える必要があるでしょう。
そうなんです。急性胃腸炎にかかりやすいのは老犬期でも子犬期でもなく、一番病気とは無縁そうな元気いっぱいの成犬期が圧倒的に多いんですね。
成犬期の犬は体力・気力ともに充実しているため、自らの欲求にひたすら邁進してしまうところがあります。そのせいでゴミ箱をあさったり道に落ちているものを拾い食いしたりと、誤飲・誤食事故を引き起こしやすいのです。
また、成犬期の犬はそれなりにいろいろな経験を積み、「どこに何がしまってあるのか」などをしっかり学習しています。
その結果、盗み食いをして胃腸の消化能力が追いつかなくなるほど食べまくり、下痢が止まらなくなるといった事件を起こしたりするのです。
食い散らかした食べ物が在庫のドッグフードであれば、その時は下痢や嘔吐で大変なことになったとしても、あとあと笑い話になるのでしょう。
しかし、もしも盗み食いしたものがタマネギや生のイモ類・穀物だったとしたら?中毒や腸閉塞などを引き起こし、場合によっては命を落とすかもしれません。
食欲旺盛な犬は健康管理しやすいが油断は禁物
「食の細い犬」と「食欲旺盛な犬」とでは、健康管理がしやすいのは圧倒的に後者です。しかし、だからといって油断は禁物。食欲旺盛だからこその危険性は、重々承知しておかなければなりません。
急性胃腸炎は通常であれば数日で回復します。しかし、一時的なものであっても胃腸の機能が衰えてしまうことが、健康によい影響を与えることはありません。
胃腸の健康は長寿に直結しています。
今後の愛犬の健康にお役立て頂ければ幸いです。
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