【犬の手作りご飯】小松菜とホウレン草で迷ったら小松菜がおすすめ
小松菜とホウレン草は、見た目がよく似ています。しかし、含まれている栄養成分量には違いがあり、犬の手作りご飯に使いやすいのはホウレン草より小松菜です。
イメージ的にはどちらも健康増進に役立ちそうですが、犬の手作りご飯において小松菜とホウレン草はちょっと立ち位置が違うことを知っておきましょう。
というわけで、今回は犬の手作りご飯に使うとしたら、なぜホウレン草より小松菜がおすすめなのかを深掘りしていきたいと思います。
目次
茹でた小松菜とホウレン草の栄養成分の違い
そもそもの話しになりますが、小松菜は犬が食べても大丈夫な野菜です。もちろんホウレン草も犬が食べられる野菜ではありますが、以下の成分量を比べることで、なぜ小松菜の方がおすすめなのかがわかるのではないでしょうか。
茹でた小松菜(100g)に含まれている成分
- ビタミンC → 20mg
- βカロテン → 3100μg
- 鉄分 → 2.1mg
- カルシウム → 150mg
- カリウム → 140mg
- 食物繊維 → 2.4g
- シュウ酸 →10mg以下
茹でたホウレン草(100g)に含まれている成分
- ビタミンC → 19mg
- βカロテン → 5400μg
- 鉄分 → 0.9mg
- カルシウム → 70mg
- カリウム → 490mg
- 食物繊維 → 3.6g
- シュウ酸 → 140mg
どちらも茹でた状態で比較しているため、水溶性の栄養成分は生に比べると含有量が失われてしまいます。そのため、ビタミンCは同じ程度ですが、注目したいのは水に溶ける性質を持つカリウムの量です。
小松菜はホウレン草より少ないですが、実はこの少なさこそ老犬向き。というのも、老犬は腎臓の状態が若い犬より悪くなっていることがほとんどのため、高カリウム血症を防ぐうえで、あまり高濃度のカリウム摂取は推奨されないからです。
βカロテンの量はホウレン草の方が多いですが、犬はβカロテンを過剰摂取すると人間に比べてビタミンA中毒を起こしやすいことがわかってきました。さらには肝臓に負担をかけてしまうことも懸念されます。
また、ホウレン草は鉄分豊富というイメージがありますが、実は小松菜の方が含有量は多いことがわかります。なんだかちょっと意外ですよね。
食物繊維の量はホウレン草の方が多いですが、下痢や軟便をしがちな犬にとっては、かえって刺激になる可能性も。そういった意味でも、小松菜の食物繊維含有量の方が、犬の手作りご飯には使いやすいと言えるでしょう。
シュウ酸が少ないのになぜか苦味で嫌われてしまう小松菜
小松菜とホウレン草を比べるうえで、最も注目したいのはシュウ酸の含有量です。シュウ酸は水に溶ける性質があるため、茹でることで8割程度含有量を減らすことができます。
実際に、生の小松菜100gには50mg程度のシュウ酸が含まれています。これを茹でることで10mg以下の、ほぼ考えなくてもよい量まで減らすことが可能です。
これに対し、生のホウレン草100gに含まれているシュウ酸はおよそ700mg。茹でることで8割減らしたとしても140mgは残ります。
犬のご飯に同じ量を加えるとしたら、ホウレン草に含まれているシュウ酸の量は小松菜の14倍。尿路結石の予防という観点でみれば、やはり無視できる量ではありません。
余談になりますが、ホウレン草に比べて小松菜には独特の苦味があるから苦手という意見が多いそうです。しかし、これはけっこう不思議な話。というのも、野菜の苦味の多くはシュウ酸によるもので、小松菜にはシュウ酸由来の苦味は少ないはずだからです。
となると、小松菜の苦味の原因は肥料を由来とする硝酸態窒素、あるいはアブラナ科の野菜に含まれているイソチオシアネートの可能性も。
いずれも小松菜だけに含まれているわけではありませんが、なぜか小松菜には苦いというイメージがつきまとっているようです。
犬に小松菜を食べさせるときに注意すること
犬に食べさせても良い小松菜の目安量(1日分)は、次の通りです。
- 体重3kg未満の超小型犬……5~15g程度
- 体重5~9kgの小型犬……20~40g程度
- 体重15kg前後の中型犬……50~80g程度
- 体重20kg以上の大型犬……100~130g程度
栄養豊富な野菜をたっぷり…、というのはあくまでも人間のお話。犬の食事に加える野菜は適量を見極めるためにも少量から試し、お腹の調子を確認しながら量を増減することが必須です。
また、小松菜は生でも食べられる野菜ですが、犬の食事に使う際は下茹でしたもの一択にしておきましょう。スープとして生から煮込んでしまうとカリウムやシュウ酸が汁に溶けだし、それをそのまま摂取することになるからです。
今日の愛犬のご飯に小松菜とホウレン草のどちらを使おう?と迷ったときは、とりあえず小松菜を選びましょう。そして、次にすべきは「下茹で」です。
>『【犬の手作りご飯】緑黄色野菜|犬の体調に合わせた選び方』
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