犬のイライラ|腸内環境悪化によるセロトニン不足が攻撃性の原因かも

愛犬が以前に比べるとちょっとしたことで過敏に反応する、あるいはなんとなくイライラしているように見える――。
こんな時、大好物のオヤツを与えたりオモチャで遊ばせたりと、飼い主としては愛犬の気持ちを上向きにさせたいと考えますよね。
そのイライラ、もしかしたら愛犬の体内でセロトニンが不足しているのかもしれません。今回はセロトニンが犬の体内で果たす役割と、どうすれば増やせるのかについて考えてみたいと思います。
目次
セロトニンは精神面に大きな影響を与える幸せホルモン
セロトニンは、犬の必須アミノ酸であるトリプトファンから作られる脳内の神経伝達物質の一種です。ものすごく簡単に言い換えるなら、ストレスと闘うための武器なんですね。
精神の安定や感情の抑制に深く関わっていることから、別名「幸せホルモン」と呼ばれています。
そんなセロトニンは、脳内で作られていると思われるかもしれません。しかし、実はセロトニンの大部分は腸内で作られています。
あくまでも人間においての話ではありますが、脳内で作られているセロトニンはわずか3%程度。一方、腸内で作られているセロトニンは90%以上。ほぼ腸で作られていると言っても過言ではないほど、生産するセロトニンの量に圧倒的な差があるのです。

攻撃性のある犬と攻撃性のない犬の腸内細菌叢には違いがある
アメリカ・オレゴン州立大学の研究チームが、2019年に「犬の腸内フローラと攻撃的な行動が関連している」という内容の研究結果を発表しました。
(攻撃性とは、牙をむく・唸り声をあげる・噛みつこうとする・突進しようとするといった行動のこと)
それによると、闘犬場から救出・保護された犬31頭の腸内細菌叢(腸内フローラ)を調べたところ、攻撃性のある犬21頭と攻撃性のない犬10頭とでは、違いがあることが判明したのです。
攻撃性のある犬と攻撃性のない犬の腸内細菌叢に明確な違いが見られたことから、犬の攻撃性と腸内細菌には関連がある、と結論付けられたわけですね。

腸内環境が悪化すると、どんどん体調の悪循環がまわりだす
なんらかの原因で犬が精神的なストレスにさらされていると、真っ先に悪い影響を受けるのは胃腸などの消化器です。
ストレスによって自律神経が乱れてしまうことにより、食べ物の消化と栄養の吸収という、生きていくために最も大切な働きをする胃腸の状態が乱れてしまうわけですね。
腸の機能が低下するわけですから、必然的に腸内細菌叢のバランスがおかしくなっていきます。そして腸内環境が善玉菌優勢から悪玉菌優勢へと変化したことにより、ますます腸の機能は低下していくことに…。
すると腸内で作られていたセロトニンの量が減り、まるで上乗せしていくかのように精神的なストレスまでもがどんどん悪化していくのです。
腸の機能が低下すると免疫力も下がっていくことになりますから、ウイルスや細菌などにも感染しやすくなるでしょう。さらには日々体内で発生しているがん細胞と闘う力までもが弱まることになります。
精神的なストレスと腸の機能低下のどちらから始まったとしても、体調がどんどん悪化していく悪循環に陥ってしまうわけですから、考えるだけでゾっとしますよね。
脳腸相関――腸と脳はつながっている
セロトニンが作られる量は脳に比べて圧倒的に腸の方が多いというのは前述した通り。しかし、実は腸で作られたセロトニンはサイズ的に大きいので血液脳関門を通過できません。
(※血液脳関門 → 脳に必要な酸素や栄養素を血管から送り届ける際、余分なものを通過させないフィルターのようなもの)
だったら腸でたくさんセロトニンを作っても、肝心な脳には全然届かないじゃないか!と思いきや、腸と脳には不思議なつながりがあるのです。
なんと、腸と脳をつなぐ神経系に腸の状態が伝わることで、脳内のセロトニン量にも影響を与えることができるんですね。要するに、腸の状態が良くてセロトニンがどんどん作られていると、脳内のセロトニンも増えるのです。
だからこそ、精神的なストレスが腸に悪影響を及ぼしてしまう仕組みもうなずけますよね。言い換えると、腸内環境が良くなりさえすれば、それだけ脳のストレス状態を緩和できる、と考えられるわけです。

犬の体内でセロトニンを増やすためにできること
愛犬が神経過敏で噛みついたり唸ったりと、攻撃的になりやすい傾向にある。あるいは以前に比べてイライラしているように感じたら――。
もしかしたら、なんらかの原因でセロトニンが不足しているのかもしれません。その状態を放置しても良いことは一つもないですし、むしろ体調と精神状態の両面がますます悪化していく恐れもあります。
精神的なストレスの原因を可能な限り軽減させるのと同時に、愛犬の体の中でしっかりセロトニンが作られるようにサポートしてあげましょう
- 腸活で腸内環境を善玉菌優勢に整えて、セロトニンの産出量を増やす。
- 日光浴によってセロトニンの分泌を促進させる。
- 散歩や運動によって肉体的・精神的に発散させ、セロトニンの分泌を促進させる。
- 寝床を落ち着いた場所へ変更し、良質の睡眠によってセロトニンの分泌を促進させる。
- 愛犬としっかりコミュニケーションをとることで、精神的な充足感を与える。
- セロトニンの材料となるトリプトファン(アミノ酸)が多く含まれている食材を食事に取り入れる。(カツオ・マグロ・チーズ・豆腐・米・バナナなど)
また、ステロイド治療や抗生物質等の服薬を続けていると、知らず知らずのうちに腸の温度が冷えていくことになります。すると、低い温度を好む悪玉菌が活発になり、腸内環境は悪化することに…。
せっかく病気やケガを治療しようとしているのにそれでは効果があがらないばかりか、かえって体調が悪化することになりかねません。また、セロトニンが不足することによって元気のない犬になってしまうこともあります。
腸活によって腸内環境を良い状態に整えることは、まさしく犬の健康長寿への近道なんですよね。
>『犬の「腸活」基礎知識|腸の温度を上げないと腸内環境は改善しない』
今後の愛犬の健康にお役立て頂ければ幸いです。

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