【犬が下痢を繰り返す原因を探れ!】①胃・小腸・大腸の働き
愛犬の下痢に悩む飼い主さんの多くは、「今すぐ下痢を止めたい」と考えがちです。しかし、下痢・軟便・血便といった目の前の症状だけに気を取られていると、根本的な問題解決から遠ざかってしまうことも…。
本当の意味で下痢を止めたいなら、腸内環境改善によって腸の基礎力を向上させ、正常な排便を取り戻さなければなりません。
本気で愛犬の腸内環境改善に取り組むためにも、犬の体についての理解をしっかり深めていきましょう。
胃・小腸・大腸など消化器の働きを正しく知ることは、愛犬が下痢を繰り返す原因を考えていくうえでのヒントになるのではないでしょうか。
目次
犬の消化管と消化器の仕組み|口から肛門までの経路
まずは犬の口から入った食べ物が、肛門から排出されていくまでに通過していく経路について見ていきましょう。
消化管と消化器
食べ物が口から入って肛門から排泄されるまでの経路を「消化管」と呼びます。
【消化管】口 → 食道 → 胃 → 小腸(十二指腸 → 空腸 → 回腸)→ 大腸(盲腸 → 結腸 → 直腸)→ 肛門
- 小腸=十二指腸+空腸+回腸
- 大腸=盲腸+結腸+直腸
さらには「消化管」と「器官(肝臓・胆のう・膵臓)」を合わせた総称を【消化器】と呼んでいます。
消化と吸収
犬の下痢を改善するうえで「消化」と「吸収」の違いを正しく理解しておくことは、最重要ポイントの一つといえるでしょう。
- 消化→食べ物に含まれている栄養素を体内に吸収するために小さく分解すること
- 吸収→消化によって小さくなった栄養素を体内に取り込むこと
消化と吸収のどちらか、あるいは両方に問題が生じてしまうと、犬の体は食べたものの栄養をきちんと活かすことができません。つまり、犬の下痢や軟便を改善するには、消化と吸収の両方を正常化させなければならないのです。
愛犬の下痢に悩んだら知ってほしいことがあります。
>『下痢の改善は3つのポイントと現代の犬の生態を知る事が鍵となる。』
犬の消化管と消化器の仕組み|口・食道・胃のはたらき
犬が食べ物を口にした瞬間から、消化へのプロセスは始まっています。
犬の口の中の構造:食べ物が体内へ向かう入口
犬は雑食動物ですが、胃腸のつくりは肉食獣に寄っています。そのため、私たち人間とは違い犬の唾液中にはアミラーゼ(炭水化物分解酵素)がほとんど含まれていません。
基本的には飲み込めるサイズに切り裂いた肉などの食べ物を、ほぼ丸飲みするような作りになっています。
犬の食道:口と胃をつなぐ経路
口から入った食べ物は食道の蠕動運動(筋肉が収縮するうごめくような動き)によって胃へと送られます。食べたものが口から食道を通過して胃に到達するまでかかる時間は、犬の場合およそ4~5秒です。
食道は単に食べ物を胃へ送る管というわけではありません。胃に入った食べ物が逆流しないよう、食道の上部(口側)と下部(胃とのつなぎめ)にある括約筋が弁となって調節しています。
犬といえば、胸やけした時などに胃の内容物を吐き出すことがありますよね。犬の食道は意識して動かせる「横紋筋」と、意識では動かせない「平滑筋」で構成されているため、意識的な吐き出しが可能です。
ちなみに人間の食道は横紋筋の割合が少ないため、犬にはできてしまう意識的な吐き出しはほぼできません。
犬の胃:食べ物の貯蔵・殺菌・消化
食べ物の消化と吸収の過程における胃の役割は、大きく分けて3つです。
一時的に食べ物を貯蔵し、少しずつ腸へ送り出す役割
消化の進み具合に合わせて少しずつ十二指腸へ食べ物を送り出せるよう、胃の中で一時的に貯蔵します。
食べ物を殺菌する役割
強酸性の胃液(pH1~1.5)で食べ物を殺菌し、ウィルスや細菌の増殖を抑制します。胃液の主成分は塩酸のため、アルカリ性の粘液を分泌して胃粘膜を保護。さらにはプロスタグランジンという生理活性物質によって胃粘膜の血流促進と細胞修復も行っています。
食べ物を初期消化してドロドロにする役割
胃に入った食べ物は胃の蠕動運動によって砕かれ、胃液に含まれている塩酸やペプシン(タンパク質分解酵素)と混ざりあってドロドロにされます。
ただし、胃には栄養素を吸収する能力はほとんどありません。ドロドロになったところで少しずつ小腸ゾーンへと送る、本格的な消化の前段階までを担当しています。
犬の消化管と消化器の仕組み|小腸のはたらき
胃でドロドロにされた食べ物は、十二指腸→空腸→回腸と通過していく小腸ゾーンで、本格的な栄養素の消化と吸収が行われます。
犬の十二指腸:膵液や胆汁を混ぜて栄養素を分解
胃でドロドロにした食べ物に膵液(リパーゼ・アミラーゼ・トリプシン)や胆汁などの消化液を混ぜ、消化酵素の働きによって「タンパク質→アミノ酸」「炭水化物→単糖類(ブドウ糖など)」「脂質→脂肪酸・グリセリン」へと分解していきます。
犬の空腸と回腸:栄養素の吸収
十二指腸で栄養素として吸収できる形へと分解された食べ物と8~9割の水分は、空腸と回腸で体内へと吸収されていきます。
小腸の内壁が絨毛と呼ばれる細かな突起でびっしりと覆われているのは、表面積を広くすることで栄養の吸収効率を上げるためです。
絨毛の内部には毛細血管網とリンパ管が通っており、脂質はリンパ管から静脈へ、それ以外の栄養素は絨毛表面に存在する栄養吸収細胞から毛細血管へと入り、門脈を通って肝臓へと運ばれていきます。
>『犬の下痢は解毒作用!効かない下痢止めより腸を温める方が回復の早道』
犬の消化管と消化器の仕組み|大腸のはたらき
大腸ゾーンでは小腸で栄養と水分を吸収した残りから、さらに水分の吸収を行うとともに、残りカスを腸内細菌によって発酵・分解することが主な役割です。
犬の結腸:電解質と水分の吸収
小腸で栄養素と水分が吸収された食べ物は、大腸ゾーンに入ったあと、主に結腸でナトリウムなどの電解質と残りの水分が吸収され、だんだんと固形となって直腸へ向かいます。
ただし、結腸では小腸で吸収しきれなかったタンパク質や炭水化物の消化吸収が行われるため、栄養吸収における最後の砦ともいえるでしょう
犬の直腸:便の一時貯留と排便
栄養と水分が吸収された残りカスは便として一時的に直腸内にとどまり、一定の量になると排便反射によってウンチとして排泄されます。
犬の下痢を引き起こす原因が消化器のどこにあるのかを考える
とても当たり前のことですが、犬の下痢・軟便・血便は口から肛門に至る消化経路のどこかに問題があるから引き起こされています。
下痢を薬で止めてしまうことは、その問題を放置した状態で一時しのぎをしているのと同じなんですね。
原因を解決しないままなのですから、しばらくすると下痢が繰り返されてしまうのは不思議でもなんでもありません。
犬が食べ物を食べてからウンチとして排泄するまでには、これだけの長い旅路があります。まずはそのどこに問題が発生しているのかを、じっくりと考えることから始めてみましょう。
>『犬の腸は想像以上に冷えている!下痢・血便・膀胱炎の原因』
今後の愛犬の健康にお役立て頂ければ幸いです。
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