大阪府|8歳ミニチュアダックス|朝は普通便なのに何度も粘液便・血便を繰り返した犬の無料相談事例

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今回ご紹介するのは、大阪府にお住まいの飼い主様からいただいた無料相談です。

 

愛犬は8歳のミニチュアダックス、女の子。体重は約5.6kg。

食欲はあり、普段通りごはんも食べています。

嘔吐もありません。

 

ところが飼い主様が困っていたのは、朝の散歩に出た後の便でした。

 

一回目は、きれいな形のある普通便。

「今日も大丈夫そうだな」と思ってそのまま散歩を続けると、10分ほどしてまた排便姿勢を取ります。

 

二回目は少しやわらかい便。

さらにしばらく歩くと三回目。

 

今度は便の量が急に少なくなり、表面に透明なゼリーのような粘液がついている。

そして四回目、五回目になると、ほとんど便らしい便は出ていません。

それでも愛犬は何度もしゃがみます。

最後には、粘液に少し赤い血が混じって出ることもあったそうです。

 

「最初は普通便なんです。それなのに、散歩をしているうちにどんどん便がおかしくなるんです」

 

これが、今回のお電話の最初に飼い主様から伺った言葉でした。

 

この状態が一度だけなら、

 

「何か変なものを食べたのかな」

 

と考えたかもしれません。

 

しかし今回は違いました。

 

数日良くなったと思ったら、また同じことを繰り返す。

病院で薬をもらうと一度は落ち着く。

ところが、しばらくするとまた、

普通便。

軟便。

少量便。

粘液便。

最後に少量の血。

この流れが起こる。

 

飼い主様は、

 

「腸の中に便が残っているから、何回もするのでしょうか」

「全部出るまで散歩させた方がいいのでしょうか」

「粘液が出るということは、腸がかなり悪いのでしょうか」

「血まで出るので、何か大きな病気ではないかと怖くなります」

 

と、とても心配されていました。

「今日は下痢でした」では、今回の便の状態は分かりませんでした

 

無料相談で私が最初に確認したのは、

 

「今日は下痢でしたか」ではありません。

 

「一回目から順番に、どんな便が出ましたか」とお聞きしました。

 

すると、先ほどの流れが見えてきました。

 

朝7時ごろに一回目。

形のある普通便。

その10分ほど後に二回目。

少しやわらかい便。

さらにその後、三回目。

少量で、粘液が混ざり始める。

四回目からはほとんど便がなく、ゼリーのような粘液。

最後には少量の鮮血。

 

ここまで聞くと、

 

「下痢をしている」

 

という一言とは、まったく印象が変わります。

 

犬の大腸性下痢では、排便回数が増える一方、一回あたりの便量は少なくなり、粘液、鮮血、しぶりなどがみられることがあります。

 

つまり今回のように、

 

「何度も出る」

 

からといって、

 

「腸の中に大量の便が残っている」

 

とは限らないのです。

 

むしろ大腸や直腸が刺激されているために、便がほとんど残っていなくても「出したい」という感覚が繰り返し起きている可能性があります。

 

この説明をすると、飼い主様が、

 

「だから最後は何も出ないのに、ずっとしゃがんでいたんですね」

 

とおっしゃいました。

 

私は、今回の相談ではこの気づきがとても大切だったと思っています。

 

「全部出し切らせよう」と散歩を長くしていました

 

今回、飼い主様は愛犬が何度も排便姿勢を取るため、

 

「まだ便が残っているのだろう」

 

と思っていました。

 

そこで、散歩時間を少し長くしていたそうです。

 

一回目。

二回目。

三回目。

まだしゃがむ。

「もう少し歩けば全部出るかな」

と思ってさらに歩く。

すると四回目、五回目と続き、最後には粘液と血が出る。

 

飼い主様としては、愛犬を楽にしてあげるためにしていたことです。

 

しかし、大腸性のしぶりでは、腸の中に便が大量に残っているから何度もしゃがむとは限りません。

 

炎症を起こした大腸では内容物への反応が強くなり、排便の切迫感や頻回の排便が生じることがあります。

 

そこで私は、

 

「全部出るまで歩かせなければいけない、と考えなくてもいいと思います」

 

とお伝えしました。

 

愛犬が何度もしゃがみ、もうほとんど便が出ていないのであれば、無理に長時間歩かせず、一度休ませる。

 

そして、何回排便姿勢を取ったのかを記録する。

 

その方が、今の状態を主治医へ伝える材料になります。

 

ゼリーのようなものが出る理由を知り、一番不安だったことが整理できました

 

飼い主様が特に怖がっていたのが、

 

「透明なゼリーみたいなもの」

 

でした。

 

最初に見た時は、

 

「腸の粘膜そのものが剥がれて出てきたのではないか」

 

と思ったそうです。

 

このようなご相談は珍しくありません。

 

便の表面につく透明、白っぽい、あるいは少し黄色っぽいゼリー状のものは、腸から分泌された粘液であることがあります。

 

大腸に炎症が起こると粘液分泌が増え、便に粘液が付着したり、便がほとんどなくなった後に粘液だけが出たりすることがあります。

 

ですから、

 

「粘液が出た=腸そのものが剥がれ落ちた」

 

と考える必要はありません。

 

ただし、何度も繰り返しているのであれば、

 

「粘液だから大丈夫」

 

で終わらせることもできません。

 

何回出たのか。

何日続いているのか。

鮮血が混ざるのか。

食欲や元気はどうなのか。

 

こうした情報と合わせて見る必要があります。

 

最後に出る赤い血にも、飼い主様はとても驚かれていました

 

今回の愛犬では、四回目、五回目の排便になると、粘液の中に少量の赤い血が混じることがありました。

 

飼い主様は、

 

「血便が出たので、すぐに重い病気だと思いました」

 

とおっしゃっていました。

 

もちろん、血が出たことを軽く考えてよいわけではありません。

 

しかし、血の色や出方も大切です。

 

大腸性下痢では、新鮮な赤い血が便や粘液に混じることがあります。一方、黒くタール状の便は、より上部の消化管からの出血を示すことがあります。

 

今回のように、

 

最初は普通便。

その後、何度もしぶる。

最後に少量の粘液と鮮血。

 

という経過は、その一日の排便の流れを主治医へそのまま伝える価値があります。

 

「血便が出ました」

 

だけではなく、

 

「5回目の排便時に、便はほとんどなく、粘液に少量の赤い血が混じりました」

 

と伝える。

 

この違いはとても大きいと思います。

 

なぜ「朝一番は普通便」なのかを一緒に考えました

 

飼い主様が一番理解できなかったのは、

 

「大腸が悪いなら、なぜ一回目は普通便なのですか」

 

ということでした。

 

確かに不思議に思うところです。

 

しかし、一回目の便は、前日の夜からある程度時間をかけて大腸にたまっていたものです。

 

そのため、水分がある程度吸収され、形のある便として出ることがあります。

 

ところが、その後も大腸への刺激や排便反射が続くと、十分に便がたまっていない状態でも次々に排便したくなります。

 

その結果、

 

一回目は普通便。

二回目は少しやわらかい。

三回目は少量。

さらに続くと粘液。

 

という変化になることがあります。

 

この「最初は普通」という部分があるため、飼い主様自身も、

 

「大腸は悪くないと思っていました」

 

と言われていました。

 

だから私は、便を見る時には一回の便だけを評価しないようにしています。

 

最初の便。

二回目。

三回目。

最後。

 

この一日の流れを見ます。

 

食欲があるから、最初は病院へ行くほどではないと思っていました

 

今回の愛犬には食欲がありました。

 

ごはんはいつも通り食べます。

元気もあります。

散歩にも行きたがります。

 

そのため飼い主様も、

 

「血が少し混じっていても、食べているから大丈夫かな」

 

と思う気持ちがあったそうです。

 

食欲があることは、私はとても大切に見ています。

 

ただし、食欲があるから大腸の問題がないとは言えません。

 

大腸炎では、小腸疾患と比較すると体重減少や嘔吐を伴わないケースもあり、身体検査でも大きな異常が見つからないことがあります。

 

つまり、

 

食べる。

元気。

でも粘液便を繰り返す。

 

という犬もいるということです。

 

食欲があることは大切な安心材料の一つ。

 

しかし、それだけで粘液便や血便を長く放置しない。

 

私はその両方を考えています。

 

相談して分かったのは「食べた物」だけでなく「食べさせ方」も変わっていたこと

 

次に食事について伺いました。

 

飼い主様は、

 

「フードはずっと同じなので、食事が原因ではないと思います」

 

とおっしゃいました。

 

しかし、詳しく聞いていくと少し変化がありました。

 

最近、食欲が強くなったため、朝の食事量を少し増やしていた。

さらに、ご家族がおやつを与える回数も以前より増えていた。

フードの商品自体は同じです。

 

しかし、一日に腸へ入る食事の総量は以前と同じではありませんでした。

 

私はここで、

 

「フードを変えたかどうかだけではなく、一日の全部の量を一度見てみましょう」

 

とお伝えしました。

 

だからといって、今回の粘液便が食事量だけで起きていると決めたわけではありません。

 

ただ、

 

フードは同じだから食事は関係ない。

 

というところで考えるのを止めないことが大切です。

 

慢性的あるいは繰り返す大腸炎では、食事、寄生虫、感染、炎症など、複数の原因を評価する必要があります。

 

「薬を飲むと治る、でもまた戻る」ことも整理しました

 

今回の愛犬は、以前にも同じような症状で動物病院を受診していました。

 

その際には薬が処方され、数日で便が落ち着いたそうです。

 

飼い主様は、

 

「薬が効いたので治ったと思っていました」

 

とお話しされました。

 

ところが1か月ほどすると、また粘液便。

再び薬を飲むと落ち着く。

そしてまた繰り返す。

 

ここで私は、

 

「薬が必要な時には、主治医の指示どおり使うことが大切です。ただ、何度も同じ状態を繰り返しているのであれば、便が固まったことだけではなく、なぜ繰り返しているのかを一度整理してもいいと思います」

 

とお伝えしました。

 

大腸炎では、状態に応じて食事変更、寄生虫への対応、薬物治療などが検討されます。止瀉薬なども獣医師の判断で短期間使用されることがあります。

 

薬を否定するのではありません。

薬を飲んで良くなった。

そこで終わりではなく、

やめた後にどのくらい安定していたのか。

何日後、何週間後に再発したのか。

再発する前に食事や生活に変化がなかったか。

 

その経過も見るということです。

 

無料相談後は「便の写真を一枚」ではなく、朝から順番に残してもらうことにしました

 

今回、飼い主様は以前から便の写真を撮っていました。

 

しかし、写真に残していたのは一番ひどい粘液便だけでした。

 

病院でも、

 

「こんな便が出ました」

 

とその一枚を見せていたそうです。

 

私は、

 

「できれば次は、一回目から撮ってみてください」

 

とお伝えしました。

 

朝の普通便。

二回目の軟便。

三回目の粘液便。

最後の状態。

 

一日の変化を残します。

 

すると、

 

「最初は普通だった」

 

という非常に重要な情報も写真で伝えられます。

 

さらに、写真と一緒に時間だけ記録します。

 

朝7時。

7時15分。

7時30分。

7時45分。

 

それだけでも、どのくらい短時間に何回排便しているかが分かります。

 

特別な記録表を作る必要はありません。

 

スマートフォンに写真と時間が残るだけでも十分です。

 

私は、この方法は飼い主様だからこそできる観察だと思っています。

 

無料相談で病名を決めたわけではありません

 

今回の相談で、

 

「この子は大腸炎です」

 

と診断したわけではありません。

 

診断は動物病院で行うものです。

 

必要に応じて便検査、身体検査、食事への反応、血液検査、画像検査、さらに慢性化している場合には追加検査が検討されることもあります。大腸炎の診断でも、病歴と身体検査に加えて、感染性原因などを除外していくことが基本になります。

 

無料相談で行ったことは、

 

飼い主様の頭の中で一つになっていた「下痢」を分解したことでした。

 

最初は普通便。

次は軟便。

その後は少量。

粘液。

最後は鮮血。

一日に5回前後しぶる。

食欲はある。

同じ症状を何度か繰り返している。

薬を飲むと一度は落ち着く。

食事量は少し増えていた。

 

こうして一つずつ並べていくと、

 

「病院で何を伝えればいいのか分かりました」

 

と飼い主様がおっしゃいました。

 

「便が悪い」のではなく、「排便の流れを見る」という考え方

 

私は犬の便の相談を受ける時、便の硬さだけを見ないようにしています。

 

特に今回のような粘液便では、

 

何回出たのか。

何回目から変わったのか。

一回の量はどう変化したのか。

最後には何が出たのか。

排便が終わった後もまだしぶるのか。

 

こうした「出方」が非常に大切です。

 

愛犬は、

 

「大腸が気持ち悪い」

「便はもうないけれど、まだ出したい感じがする」

 

と話すことはできません。

 

その代わりに、

 

何度もしゃがむ。

少量だけ出す。

粘液を出す。

血が混じる。

 

という形で体の状態を見せています。

 

だから私は、

 

「今日は下痢だった」

 

という一言で終わらせず、

 

今日、この子はどういう順番で出したのか

 

を見てほしいと思っています。

 

相談後、飼い主様が一番安心されたこと

 

今回の相談の最後に、飼い主様から、

 

何度もしゃがむたびに、全部出させないといけないと思っていました。それが一番かわいそうなことをしていたのかもしれません」

 

というお話がありました。

 

決して飼い主様が間違っていたということではありません。

 

愛犬を楽にしてあげたいと思ったからこそ、散歩を続けていたのです。

 

ただ、

 

「何度もしゃがむ=便が残っている」

 

とは限らないと分かったことで、愛犬の見方が変わりました。

 

そして、

 

粘液が何回目から出るのか。

血はいつ出るのか。

食事との時間関係はどうか。

何日間隔で繰り返しているのか。

 

そこを見るようになりました。

 

これが、今回の無料相談で一番大きな変化だったと思います。

 

同じように粘液便としぶりを繰り返している飼い主様へ

 

朝一番の便はきれい。

だから安心する。

ところが散歩中に二回目、三回目と続き、最後には粘液や少量の血が出る。

 

このような状態を繰り返しているのであれば、

 

「お腹が弱い子だから」

「全部出れば治るだろう」

 

だけで終わらせないでください。

 

一回目から最後まで、便の流れを見てください。

 

そして、何日ごとに繰り返しているかも見てください。

 

食欲があるか。

体重は変わっていないか。

嘔吐はないか。

薬を使った後、どのくらい安定していたか。

食事量やおやつに変化がなかったか。

 

こうした日常の情報を整理したうえで、主治医へ伝えることが大切です。

 

私は、ナノワン・リセットについても、「粘液便を止める薬」という考え方はしていません。

 

必要な検査や治療は動物病院で受ける。

そのうえで家庭では、食欲があるか、何を食べているか、そして食べた後にどう排泄できているかを見る。

何かを次々に加える前に、今どう出せているのかを見る。

 

私はこの「入れる前に出す」という部分を大切にしています。

 

今回の相談でも、特別なことをしたわけではありません。

 

便を一回目から順番に見直しただけです。

 

しかし、その順番を見たことで、

 

「何が起きているか全く分からない」

 

という不安が、

 

「次はここを見よう」

 

という具体的な観察に変わりました。

 

粘液便を何度も繰り返す時には、一番ひどい便だけを見ない。

 

最初から最後まで見る。

 

私は、それが愛犬のお腹から出ているサインを理解するための大切な第一歩だと考えています。

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    この記事を書いた人

    坂田剛

    これまでに6,000人以上の飼い主様からご相談をいただき、現在も日々ご相談をお受けしています。下痢・軟便・アルブミン低下など、繰り返す不調の多くは「原因の見極め」で方向性が変わります。ご相談はすべて、坂田が直接対応しています。今の状態を一緒に整理し、今日からできる具体的な対策をお伝えしています。

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