犬のおしり歩きが可愛い?それ、肛門のトラブルが原因かもしれません

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犬がペタンと床にお尻をつけ、前足だけで歩く姿を見たことはありますか?これは通称「おしり歩き」と呼ばれている行動です。ペットを扱ったテレビ番組や、動画サイトなどで見たかたも多いと思います。

 

もしかしたら、愛犬のおしり歩きを実際に見たことがある飼い主さんもいらっしゃることでしょう。

 

一見するとユーモラスで可愛らしい犬のおしり歩き。しかし愛犬がおしり歩きをしていたら、動画を撮っている場合ではありません!犬がおしり歩きをする原因の多くは、肛門に違和感があるからです。

犬がおしり歩きをする原因で一番多いのは肛門腺の違和感

 

犬がスリスリとお尻を床にこすりつけて歩く「おしり歩き」をする原因で、一番多いのは肛門腺のトラブルです。

 

肛門腺とは、肛門の左右(時計で例えるなら4時と8時の位置)にある袋状の肛門嚢(こうもんのう)のことをいいます。中には独特なニオイのある分泌物(はっきり言って臭い)が溜まっており、縄張り争いや挨拶といった個体識別、あるいは排便を容易にする役割があります。

 

この肛門嚢に溜まっている分泌物は、本来であれば排便のときに肛門が圧迫されることで、便と一緒に少しずつ排泄される仕組みなんですね。

 

ところが、もともとの体質として分泌物の排泄能力が低い、あるいはなんらかの原因で正常に排泄できなくなると、肛門嚢に分泌物がどんどん溜まり続けてしまうことになります。

 

その結果、「なんだかお尻が気持ち悪い…」と感じた犬は、お尻をすりすり床に擦りつけて動き回る「おしり歩き」をするわけですね。

 

小型犬から大型犬まで、シニア期を過ぎると肛門腺の排出能力は衰えがちですが、特に注意すべきなのは小型犬。というのも、小型犬は若いうちから肛門腺が溜まってしまう犬が少なくないからです。

 

肛門腺が溜まってしまう犬の飼い主さんは、愛犬に代わって絞りだしてあげる必要があります。肛門腺の分泌液はにおうので、自宅でシャンプーをしている時に絞ってあげるのが一番。多少飛び散ったとしても、さっとシャワーで洗い流せるからです。

 

いくら愛犬のものとはいえ、肛門を触ることに抵抗がある飼い主さんもいらっしゃることでしょう。しかし、触りたくないからといってそのまま放置していると、愛犬の肛門嚢が破裂して大変なことになるかもしれません。

 

その場合は、動物病院やトリミングサロンで肛門腺を絞ってもらうという方法もあります。もちろん、その分の料金はかかりますが…。

 

 

犬がおしり歩きをするのは肛門に痒みを感じている可能性あり

 

肛門や肛門の周辺に痒みを感じている犬も、おしり歩きをすることがあります。原因としては、次のようなものが考えられるでしょう。

 

  • アレルギー
  • 皮膚病
  • 下痢の付着によって起こる皮膚の炎症
  • トリミングによる刺激
  • 瓜実条虫の寄生

 

「瓜実条虫?そんなものにどこで寄生されたの⁉」と思われるかもしれませんが、瓜実条虫が犬の体内に入り込んでしまう経路は、なんとノミからです。

 

瓜実条虫はノミを中間宿主にしているので、グルーミングなどで犬がノミを噛んだりなめたりすることで、瓜実条虫に寄生されてしまうわけですね。

 

瓜実条虫が原因でおしり歩きをしている場合は、速やかに駆虫薬で対処するとともに、ノミの駆除も行わなければなりません。

 

また、アレルギーや皮膚病が原因の場合は、腸内環境の改善が急務です。薬でなんとかしようとすればするほど腸の温度が低下してしまい、治したかったはずのアレルギーや皮膚病を悪化させてしまうことも…。

 

腸が良い状態であれば、しっかり薬の成分を吸収させることができます。薬の効果を後押しするためにも、腸内環境の改善はとても重要なんですよね。

 

>『犬の下痢や震えは腸が冷えているサイン!お腹を内側と外側から温めて免疫力アップ

 

下痢・軟便・便秘も犬がおしり歩きをする原因

 

下痢や軟便が続いている、あるいは便秘をしがちな犬も、気持ちよく排便ができないせいで、おしり歩きをすることがあります。

 

お腹の調子がなかなか整わない犬の飼い主さんは、日頃から愛犬の肛門をしっかり観察しましょう。度重なる下痢・軟便や便秘のせいで肛門がただれていたり、切れてしまっている可能性があります。

 

また、下痢や軟便、あるいは便秘のせいでおしり歩きをしがちな犬は、食事内容の見直しが必要。というのも、便がゆるゆるであろうがカチカチであろうが、どちらにしても腸内環境が悪化しているのは間違いないからです。

 

まずは腸の温度をしっかり上げる食事で善玉菌を増やし、腸内環境の改善をはかりましょう。意外に思われるかもしれませんが、下痢と便秘は正反対のように見えても、改善へのプロセスは同じなんですよね。

 

>『【犬のお腹のキュルキュル音】その原因は腸の冷えだと知っていましたか?

 

 

肛門嚢炎と肛門嚢破裂

 

愛犬があまりにも頻繁におしり歩きをしているなら、病気が原因の可能性もあります。

 

  • 肛門嚢炎……肛門嚢の細菌感染
  • 肛門嚢破裂……肛門嚢に分泌物が溜まり過ぎてしまい、袋が破裂した状態

 

肛門嚢炎は抗菌薬の服用で完治を目指します。しかし、肛門嚢が破裂してしまうと、肛門の周囲に穴があいたような状態になるため、抗生物質の投与に加えて洗浄や外用薬といった外科的な処置も必要になります。

 

愛犬がおしり歩きをしているけれど、しばらくは様子見でいいかな…、などと楽観視していると、肛門嚢が破裂してしまうかもしれません。こうなると完治までに時間がかかるのはもちろんのこと、愛犬は排便のたびに激痛を感じて苦しむことになります。

 

おしり歩きというなんだか可愛らしい呼び方をしていますが、実はとても大変な事態の前触れだということを、犬の飼い主は忘れるべきではありません。

 

愛犬のおしり歩きは椎間板ヘルニアの可能性も…

 

もしも犬がお座りのように腰を床につけ、後ろ足が前に伸びた状態でおしり歩きをしていたら、椎間板ヘルニア悪化している可能性があります。

 

後ろ足が前に伸びた状態なのは、後ろ足を動かせなくなっている可能性が高いからなんですね。もしも愛犬のそうした行動を見つけたら、ただちに動物病院を受診してください。

 

もしも、普通に歩ける犬が椎間板ヘルニアが疑われるおしり歩きをしていたとしても、やはり動物病院に行って検査を受けるべきでしょう。

 

なぜなら、おしり歩きをすると飼い主が「可愛い~!」と大喜びするから、そうした行動を連発するようになったとしても、きっかけとなった最初のおしり歩きの原因は、椎間板ヘルニア悪化の可能性があるからです。

 

>『犬の腸を冷やす強烈な原因と解決策を徹底解説!

 

今後の愛犬の健康にお役立て頂ければ幸いです。

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この記事を書いた人

坂田剛

これまでに6,000人以上の飼い主様からご相談をいただき、現在も日々ご相談をお受けしています。下痢・軟便・アルブミン低下など、繰り返す不調の多くは「原因の見極め」で方向性が変わります。ご相談はすべて、坂田が直接対応しています。今の状態を一緒に整理し、今日からできる具体的な対策をお伝えしています。

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