【愛犬の健康を守る基礎知識】黄色い嘔吐物の正体『胆汁』とは?

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早朝や夕方などの時間帯に、愛犬が黄色い液体を吐いたことはありませんか?黄色い液体の正体は胆汁(たんじゅう)です。

 

「そのぐらい知ってるよ、白っぽいのは胃液でしょう?」と思われたかたもいらっしゃることでしょう。黄色は胆汁、白または透明は胃液・水・唾液――このあたりの基礎知識は、犬と暮らすうえで絶対に覚えておきたいところです。

 

では、胆汁がどこから分泌され、どんな役割を担っているか知っていますか?今回は、知っているようでよくわからない『胆汁』について深掘りしてみました。

胆汁は脂肪を消化するために肝臓で作られる液体

 

胆汁という名前は知っているはずなのに、胃液に比べるとなんだか正体がわかりにくいですよね。胃液はその名の通り胃で分泌され、胃の中で消化に使われています。

 

しかし、胆汁が分泌されて消化に使われるまでの経路はちょっと複雑。

 

胆汁は胆管または胆嚢(たんのう)で作られる、と思っているかたもいるようですが、違います。胆汁肝臓(肝細胞)で生成された後、小腸内に食べ物がある場合は十二指腸(小腸)に排出され、消化液として働きます。

 

しかし小腸内に食べ物がない場合は胆嚢(胆汁を貯めておく袋)に一時的に貯蔵され、この中で濃縮されて待機状態となるのです。そして脂質を含んだ食べ物が小腸に送られてくると胆嚢が収縮し、十二指腸に排出された胆汁は消化液として働きます。

 

>『犬の嘔吐物に未消化の食べ物が!「単なる吐出」「消化不良」「病気の可能性」

 

 

胆汁の成分と生成に必要な材料

 

胆汁を生成するのに必要な材料は、「」「ビリルビン」「胆汁酸」「胆汁色素」「コレステロール」です。

 

  • ビリルビン → 赤血球が古くなって役目が終わり、破壊された際にできる成分
  • 胆汁酸 → 肝臓でコレステロールから合成されるステロイド化合物
  • 胆汁色素 → 胆汁に含まれる色素の一つで、ヘモグロビンの代謝産物
  • コレステロール → 細胞、ホルモン、胆汁酸の材料になる有機化合物の一種

 

まぁ、難しい内容はとりあえず置いておくとして――。

 

胆汁が黄色なのは、ビリルビンが赤血球に含まれている黄色っぽい色素だからです。わかりやすく黄色と表現しましたが実際には黄褐色であり、色調は黄色寄りから茶色寄りまでと様々にあります。

 

胆汁が担っている二つの役割

 

胆汁の役割の一つは、脂肪分が消化しやすくなるように水と脂肪を乳化させることです。この作用がないと脂肪は水となじまず、消化酵素(リパーゼ)がきちんと働いてくれません。

 

そしてもう一つの働きは、老廃物を便と一緒に排出する役割です。

 

その過程をざっと説明すると、小腸に排出された胆汁のビリルビンは腸内細菌に分解されてウロビリノーゲンに変化し、さらに還元や酸化といった作用を経た後にステルコビリンとなります。(※ステルコビリン/古くなった赤血球が分解されてできる代謝産物の最終形態)

 

そしてステルコビリンと腸内の善玉菌が作用することで、ウンチが黄褐色~茶色に色づくのです。本当はもうちょっとややこしい過程があるのですが、おおむねこんなところでしょうか。

 

>『犬の嘔吐は夜中早朝の腸の冷えが大きな原因です。

 

 

犬の体内で胆汁が正常に分泌されないとどうなる?

 

胆汁が正常に分泌されないと食べ物の脂肪分がきちんと分解できないため、体は栄養不足の状態に陥ります。

 

  • 便の色が白っぽく変化する → 分解されなかった脂肪分が便中に排出される
  • 白目や皮膚が黄色っぽくなる → 排出しきれいないビリルビンの影響
  • 尿がオレンジ色に変色する → 排出しきれないビリルビンの影響

 

もちろん、体に現われる不調はそれだけではありません。脂質がきちんと吸収できないと脂溶性のビタミンなどの吸収にも悪影響を及ぼすため、食欲が低下してどんどん元気が失われていくことになります。

 

犬に多い胆泥症・胆石症はどちらも胆汁の異常状態

 

胆汁は本来サラサラの液体です。しかし、なんらかの原因によって胆汁の成分に異常が生じると、サラサラだったはずの液体がドロドロに変化します。この状態が「胆泥症(たんでいしょう)」であり、胆汁が固まって石のようになってしまった状態が「胆石症」です。

 

胆泥症・胆石症ともに厄介なのは、どちらも初期段階では症状がほとんどみられない無症状なことです。

 

しかしドロドロの胆泥やカチカチに固まった胆石が体によいはずもなく、胆管を詰まらせたり胆嚢の炎症を引き起こしたりと、次第に悪化していくことも…。

 

さらに悪化すると胆嚢が破裂する危険性があり、胆汁が腹腔内に漏れ出してしまった場合は腹膜炎を引き起こす可能性があります。腹膜炎は命にかかわる重症であり、まさに待ったなしの状態。

 

また、胆嚢に異常があると肝臓の病気を併発していることも多く、完治がかなり困難となるところが非常に厄介です。

 

>『愛犬が嘔吐!吐いたものを食べるなら心配しなくてOK

 

犬のアルブミン数値を上げるには乳酸菌を増やすエサを与える事が重要。

 

愛犬の胆汁を正常に保つポイントは栄養バランスの整った食事

 

喜ぶからといって高脂肪・高カロリーの食事を続けていると、愛犬は胆汁ドロドロ+肥満へとまっしぐらになりますよ!

 

愛犬の胆汁をサラサラに保つポイントは、栄養バランスの整った食事を適切な量食べさせること。そこに加えて適度な運動を続けることが、健康長寿への近道です。

 

>『犬の「腸活」基礎知識|腸の温度を上げないと腸内環境は改善しない

 

今後の愛犬の健康にお役立て頂ければ幸いです。

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この記事を書いた人

坂田剛

(株)ラクト・ラボ代表取締役。20年間健康美容業界に携わり犬達の世界が人間と同じように生活習慣病が増え始めてきたことをきっかけに15年前に犬のサプリメント販売ラクト・ラボを起業。2018年に法人化。趣味は愛犬とキャンプに行き大自然とふれあいリフレッシュすること。

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