犬がステロイドで食欲旺盛になるのは副作用?本当の回復との違いと食べ過ぎを防ぐ方法

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ステロイドを飲み始めた愛犬が、急に食事を強く欲しがるようになった。

 

ごはんを食べ終わった直後なのに、器の前から離れない。

家族が食事をしていると、以前よりしつこく食べ物を欲しがる。

夜中や早朝にも起きて、何か食べたそうにしている。

 

このような変化が起こると、飼い主様は、

 

「食欲が戻ったということは、病気が良くなっているのではないか」

 

と期待されると思います。

 

一方で、

 

「このまま食べさせて大丈夫なのか」

「ステロイドの副作用で食欲が増えているだけではないか」

「食欲があるのに、なぜ体重や検査数値が改善しないのか」

 

と不安になる方も少なくありません。

 

私はこれまで14年間、犬のアルブミン低下、下痢、軟便、食欲、ステロイド治療などについて、6,000件以上のご相談を受けてきました。

 

その中でよく感じるのは、飼い主様にとって「食べること」は、愛犬が回復しているように見える非常に分かりやすいサインだということです。

 

確かに、自分から食べられることは大切です。

 

どのような食事療法や家庭でのケアも、愛犬が口にしてくれなければ始まりません。

 

しかし、ステロイドを飲んでいる犬の場合は、強い食欲がそのまま病気の改善を意味するとは限りません。

 

今回は、犬がステロイドによって食欲旺盛になる理由と、本来の回復による食欲との違い、食べ過ぎを防ぐために家庭でできることをお伝えします。

ステロイドを飲むと、なぜ犬の食欲が増えるのか

 

ステロイドと呼ばれる薬にはいくつかの種類がありますが、犬の治療でよく使用されるものに、プレドニゾロンやプレドニゾンなどの副腎皮質ステロイドがあります。

 

これらは、体内で作られるコルチゾールに似た働きを持ち、炎症や過剰な免疫反応を抑える目的で使われます。

 

アレルギー、皮膚疾患、免疫性疾患、慢性腸症、蛋白漏出性腸症など、さまざまな治療で必要になる薬です。

 

一方で、ステロイドには、食欲を強くする作用があります。

 

犬では、ステロイドの比較的よく見られる副作用として、飲水量の増加、尿量の増加、食欲増加、パンティングなどが挙げられています。

 

体内の糖や脂肪、たんぱく質の代謝にも影響し、コルチゾールと同様に食欲を刺激することがあります。

 

そのため、ステロイドを始めた直後から食べ物を強く欲しがるようになっても、それだけで「胃腸が回復した」「病気が治ってきた」とは判断できません。

 

これは、愛犬が嘘の食欲を見せているという意味ではありません。

 

本人は実際に強い空腹感を感じている可能性があります。

 

ただし、その空腹感が体の回復によって自然に戻ったものなのか、薬の作用によって強く出ているものなのかを、ほかの変化と一緒に見る必要があります。

 

本当の回復による食欲と、薬による食欲の違い

 

「薬による食欲」「本当の食欲」を、食べ方だけで完全に区別することはできません。

 

しかし、食欲以外の状態を一緒に見ることで、愛犬の体がどの方向へ進んでいるかを判断しやすくなります。

 

回復が進んでいる場合は、食欲だけでなく、便、体重、元気、睡眠、検査数値などにも少しずつ良い変化が表れることがあります。

 

たとえば、以前より便の回数が落ち着いた。

水のような下痢が形のある便に近づいた。

食後にお腹を気にせず、落ち着いて眠れるようになった。

体重や筋肉が維持できるようになった。

散歩や遊びへの反応が戻ってきた。

アルブミンや炎症に関係する検査値が改善してきた。

 

こうした変化が食欲と一緒に見られる場合は、治療によって体全体が良い方向へ進んでいる可能性があります。

 

一方で、ステロイドの作用による食欲が強く出ている場合は、よく食べているにもかかわらず、体のほかの部分が追いついていないことがあります。

 

大量に食べるのに便量が多い。

食欲が強いのに体重が減る。

筋肉が落ち、背骨や腰骨が目立ってくる。

お腹だけが張って見える。

水を大量に飲み、尿の量が増える。

落ち着きがなく、夜中にも食べ物を探す。

パンティングが増える。

 

長期的または高用量のステロイド使用では、食欲増加だけでなく、体脂肪の分布変化、筋肉の萎縮、感染しやすくなることなどが起こる場合があります。

 

つまり、愛犬が勢いよく食べる姿だけを見て、「元気になった」と結論づけるのではなく、食べたものが体重や筋肉として残っているかまで見ることが大切です。

 

食欲があるのに痩せる時は、食事量だけの問題ではない

 

ステロイドによって食欲が増えた犬の中には、以前より多く食べているのに体重が減っていく子がいます。

 

この場合、飼い主様は、

 

「まだ食事が足りないのではないか」

 

と考え、さらに量を増やしたくなるかもしれません。

 

しかし、食欲が強いのに痩せる場合は、単に食事量が少ないとは限りません。

 

食べたものを十分に消化・吸収できていない場合や、腸からたんぱく質が失われている場合なども考える必要があります。

 

小腸の吸収不良では、食欲が増えているにもかかわらず、下痢や体重減少が起こることがあります。

 

また、ステロイドは筋肉のたんぱく質を分解する方向に働くことがあり、長期使用では筋肉量が減少する可能性があります。

 

ここで注意したいのは、体重だけを見ないことです。

 

食べる量が増え、脂肪は増えているのに、背中や脚の筋肉が落ちている場合があります。

 

そのため、家庭では体重と一緒に、

 

背骨が以前より触れやすくなっていないか。

腰骨が目立っていないか。

後ろ脚や太ももが細くなっていないか。

頭や肩の周りの筋肉が落ちていないか。

お腹だけが膨らんでいないか。

 

という体形の変化を確認してください。

 

WSAVAでは、体脂肪の状態を評価するボディコンディションスコアと、筋肉量を評価するマッスルコンディションスコアを、別々に確認することが推奨されています。太って見える犬でも、筋肉が大きく減っている場合があります。

 

食欲が強いから食事を増やすのではなく、今の食事量で体重と筋肉がどう変化しているかを見る必要があります。

 

ステロイド服用中の食べ過ぎを防ぐ方法

 

ステロイドを飲んでいる犬は、食事を終えても満足できず、さらに食べ物を求めることがあります。

 

その姿を見ると、飼い主様はかわいそうに感じると思います。

 

しかし、欲しがるたびに与えてしまうと、必要以上のカロリー摂取につながります。

 

体重増加だけでなく、食事内容によっては、下痢、軟便、膵臓への負担などにつながる可能性もあります。

 

まず必要なのは、「犬が欲しがる量」と「体に必要な量」を分けて考えることです。

 

一日の食事量を最初に量る

その日に与える主食を、朝のうちにすべて計量してください。

 

そこから朝、昼、夜などに分けて与えます。

 

その都度袋から出していると、実際にどのくらい与えたのか分からなくなりやすいためです。

 

食事回数を分ける

一回の食事量を大きく増やすのではなく、一日の総量を変えずに、食事回数を増やす方法があります。

 

朝晩二回だった食事を、体調や生活に合わせて三回、四回に分けることで、食事と食事の間を短くできます。

 

ただし、病気や薬によって適切な食事回数が異なる場合があるため、主治医と相談しながら進めてください。

 

おやつやトッピングも総量に含める

主食はきちんと計量していても、おやつ、薬を包む食材、トッピングなどが増えていることがあります。

 

特に、家族がそれぞれ少しずつ与えていると、一日分では大きな量になります。

 

犬が一日に口にするものをすべて書き出してください。

 

薬を包むための肉、チーズ、芋類なども食事の一部です。

 

欲しがるたびに食べ物で応えない

食べ物を求めて近づいてきた時に、毎回おやつを与えると、「要求すれば食べられる」と学習することがあります。

 

食後は短い散歩、ブラッシング、おもちゃ、声かけなど、食べ物以外の方法で気持ちを切り替えることも大切です。

 

ただし、体調の悪い犬に無理な運動をさせる必要はありません。

 

水分と排尿も観察する

ステロイドでは、食欲だけでなく、飲水量と尿量も増えることがあります。

 

水を制限してはいけません。

 

新鮮な水をいつでも飲めるようにし、急激な飲水量の増加、排尿回数、失敗の増加などを記録してください。

 

食欲が増えた時に確認したい五つの記録

 

ステロイド治療中は、食欲だけを記録するのではなく、次の五つを一緒に見てください。

 

第一は、実際の食事量です。

 

欲しがった回数ではなく、主食、おやつ、トッピングを含め、何グラム食べたのかを記録します。

 

第二は、便です。

 

便の形だけでなく、量、回数、色、におい、粘液や血液の有無を見ます。

 

第三は、体重と筋肉です。

 

週に一度程度、できるだけ同じ時間と条件で体重を測り、背中や腰、脚の筋肉を触って確認します。

 

第四は、飲水量と尿です。

 

水を飲む回数、尿量、夜間の排尿、室内での失敗などを記録します。

 

第五は、薬と検査値です。

 

ステロイドを始めた日、量を増減した日、食欲が変わった日、アルブミンなどの検査結果を時系列で並べます。

 

この記録によって、

 

ステロイドを始めた直後から食欲だけが増えた。

便と体重も同時に改善してきた。

食欲は強いが、筋肉が落ちている。

減薬後に食欲と便が同時に変わった。

 

といった流れが見えやすくなります。

 

食欲が強くても、すぐ主治医に相談したい変化

 

ステロイドによる食欲増加は、比較的よく見られる変化です。

 

しかし、次のような症状がある場合は、単なる食欲増加として様子を見続けず、主治医へ相談してください。

 

水を異常に多く飲む。

尿量が大幅に増えた。

食欲があるのに体重が減る。

筋肉が急に落ちてきた。

お腹が大きく膨らんできた。

嘔吐や下痢が始まった。

黒い便や血便が出た。

強いパンティングが続く。

元気がなくなった。

感染症を繰り返す。

 

ステロイド使用中には、嘔吐、下痢、行動変化、体重増加、筋力低下などが現れる場合があります。

 

また、ステロイドの量を飼い主様の判断で減らしたり、急に中止したりしてはいけません。

 

長期間使用している場合、体内の副腎機能が抑制されている可能性があります。

 

薬の増減は、病気の状態や使用期間に応じて、必ず獣医師の指示のもとで行ってください。

 

食欲は大切。しかし、食欲だけで回復を判断しない

 

私は、愛犬の食欲を非常に大切に考えています。

 

食欲があることは、食事や家庭でのケアを進めるための重要な条件です。

 

食べてくれるからこそ、水分や必要な栄養を体へ届けられます。

 

しかし、ステロイド服用中の食欲には、薬の作用が重なっている可能性があります。

 

そのため、

 

よく食べるから大丈夫。

欲しがるから必要なだけ与える。

食欲があるから病気は良くなっている。

と判断しないことが大切です。

見るべきなのは、食欲の強さではなく、その食欲を体がどう使えているかです。

食べた後に便が安定しているか。

体重と筋肉を維持できているか。

元気や睡眠が戻っているか。

アルブミンなどの検査値がどう変化しているか。

飲水や排尿に大きな変化がないか。

 

これらを一緒に見て初めて、食欲が回復のサインなのか、薬によって強く出ているのかを考えられます。

 

ナノワン・リセットでも、単にたくさん食べてもらうことを目的にはしていません。

 

食欲がある今、その食欲をどう生かすのか。

水に溶かして温めたスープを自分から食べられるか。

食べた後の便や排泄はどう変わるか。

食事を体重や体力として残せているか。

 

この流れを見ることを大切にしています。

 

ステロイドは、必要な時には大切な役割を持つ薬です。

 

薬を否定するのではなく、副作用を理解し、食欲だけに惑わされず、愛犬の体全体を見ていく。

 

それが、ステロイド治療中の愛犬を守るために、飼い主様ができる大切な健康管理だと私は考えています。

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与え方:腸内リセットレシピ参照

賞味期限:開封後10日以内

消費量:食べてくれるかどうかの確認約4~5回分

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同包物:レシピ

 

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    この記事を書いた人

    坂田剛

    これまでに6,000人以上の飼い主様からご相談をいただき、現在も日々ご相談をお受けしています。下痢・軟便・アルブミン低下など、繰り返す不調の多くは「原因の見極め」で方向性が変わります。ご相談はすべて、坂田が直接対応しています。今の状態を一緒に整理し、今日からできる具体的な対策をお伝えしています。

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