犬のアルブミンがステロイドを飲んでも上がらないのはなぜ?減薬で再び下がる時に確認したいこと

愛犬の血液検査でアルブミン低下を指摘され、ステロイドによる治療が始まった。
薬を飲み始めれば数値が上がると思っていたのに、次の検査でもほとんど変わらない。
一度は少し上がったものの、ステロイドを減らした途端に再びアルブミンが下がった。
このような結果を聞けば、飼い主様が不安になるのは当然です。
「ステロイドが効いていないのでしょうか」
「薬の量を増やし続けるしかないのでしょうか」
「食欲はあるのに、なぜアルブミンが上がらないのでしょうか」
「このまま長期間飲ませて大丈夫なのでしょうか」
私はこれまで14年間、犬のアルブミン低下や下痢、軟便、ステロイド治療について、6,000件以上のご相談を受けてきました。
その中でも多いのが、ステロイドを飲んでいるのにアルブミンが期待どおり上がらないというご相談です。
ここで最初に知っていただきたいのは、アルブミンの数値が上がらないからといって、すぐに「ステロイドがまったく効いていない」とは判断できないということです。
反対に、食欲や元気が出たからといって、腸の状態やアルブミン低下が改善したとも限りません。
大切なのは、アルブミンという一つの数値だけを見るのではなく、食欲、便、体重、食事量、薬の量、ほかの検査値がどのように変化しているかを、時間の流れに沿って整理することです。
今回は、犬のアルブミンがステロイドを飲んでも上がらない時や、減薬によって再び下がる時に確認したいことをお伝えします。
目次
ステロイドは何のために使われているのか
犬のアルブミン低下に対してステロイドが使用されるのは、アルブミンそのものを直接増やすためではありません。
慢性腸症や蛋白漏出性腸症などで、腸粘膜の炎症や免疫反応が関係していると判断された場合に、その炎症を抑え、腸からたんぱく質が失われる状態を改善する目的で使われます。
つまり、ステロイドはアルブミンを作る薬ではなく、アルブミンが失われる原因の一部を抑えるための薬です。
そのため、アルブミン低下の主な原因がステロイドで抑えられる炎症でなければ、薬を飲んでも期待したほど数値が上がらないことがあります。
たとえば、リンパ管拡張症によって腸のリンパ管から脂肪やたんぱく質が失われている場合には、炎症を抑えるだけでなく、食事中の脂肪量を調整することが重要になる場合があります。
実際に、プレドニゾロンへの反応が乏しい、または減薬時に低アルブミン血症が再発した腸リンパ管拡張症の犬で、脂肪制限食が有効だったという報告があります。
また、ステロイド抵抗性の蛋白漏出性腸症の犬で、治療のほかの部分を変えず、食事変更のみを行ったところ、臨床症状や血清アルブミンが改善した例も報告されています。
これは、すべての犬が食事だけで改善するという意味ではありません。
大切なのは、ステロイドを増やすことだけが唯一の選択肢ではなく、病気の背景や食事内容を再確認する必要があるということです。
アルブミンが上がらない時に考えたい五つの変化
1.食欲が増えたのは回復か、薬の影響か
ステロイドを飲み始めると、食欲が強くなる犬がいます。
以前より勢いよく食べるようになり、食事の時間を待ちきれないほど欲しがることもあります。
飼い主様から見れば、
「食欲が戻ったから良くなっている」
と感じられるかもしれません。
もちろん、自分から食べられることは、体力を保つうえで大切です。
しかし、ステロイドには食欲を増加させる作用があるため、強い食欲がそのまま病気の改善を示しているとは限りません。
食欲が増えていても、アルブミンが上がらない、体重が減っている、便量が増えている場合は、食べたものを十分に体へ残せていない可能性があります。
また、食欲が強いからといって食事量やおやつを大きく増やすと、腸が受け止められる量を超え、便がゆるくなったり、消化の負担が増えたりすることがあります。
見るべきなのは、食欲の強さだけではありません。
食べた後に落ち着いているか。
便の状態は安定しているか。
体重や筋肉が維持できているか。
この三つを一緒に確認してください。
2.便が固まったことと、たんぱく質の喪失が止まったことは同じではない
ステロイドを始めて下痢が止まり、便の形が良くなると、飼い主様は安心されると思います。
しかし、便が固まることと、腸からアルブミンが漏れる状態が完全に改善することは、必ずしも同じではありません。
見た目には普通の便でも、腸粘膜の炎症やリンパ管の異常が残っている場合があります。
蛋白漏出性腸症では、一般にアルブミンとグロブリンの両方が低下することが多いものの、アルブミンだけが低い場合でも否定はできません。
そのため、便の硬さだけで判断せず、
便の回数が増えていないか。
以前より量が多くないか。
色が薄くなっていないか。
粘液や血液が混じっていないか。
においが急に強くなっていないか。
という変化まで見てください。
下痢が止まった後もアルブミンが上がらない場合は、便の見た目とは別に、腸からのたんぱく質喪失が続いていないかを確認する必要があります。
3.体重は増えているか、筋肉が落ちていないか
アルブミンの治療中に、体重は非常に大切な判断材料になります。
ステロイドを飲んで食欲が増え、食べる量も多くなったのに、体重が増えない。
あるいは、体重計では大きく変わらなくても、背骨や腰骨が目立ち、後ろ脚の筋肉が細くなっている。
このような場合は注意が必要です。
体重が変わらなくても、筋肉が減り、お腹に液体がたまることで同じ体重に見えることがあります。
低アルブミン血症では、血管内に水分を保ちにくくなり、腹水やむくみが生じる場合があります。
「体重が減っていないから大丈夫」と判断せず、体の形を見てください。
背中や腰の筋肉。
太ももの太さ。
お腹の膨らみ。
脚や胸の下のむくみ。
呼吸の速さ。
これらを定期的に確認することが大切です。
食欲があるのに筋肉が落ちている場合は、栄養を十分に吸収できていない、たんぱく質の喪失が続いている、ステロイドの影響で筋肉量が減少しているなど、複数の可能性があります。
4.食事量だけでなく、脂肪量と一日の総量を見る
アルブミンを上げるために、
「たんぱく質をたくさん食べさせなければ」
と考える飼い主様は少なくありません。
しかし、アルブミン低下がある犬に、単純に高たんぱくな食材を増やせばよいとは限りません。
腸リンパ管拡張症が関係している場合には、脂肪の摂取が腸のリンパ流を増やし、症状へ影響する可能性があるため、食事中の脂肪量が重要になります。
低脂肪食だけで血清アルブミンが上昇した蛋白漏出性腸症の犬も報告されており、食事内容が治療反応へ大きく関係する症例があります。
一方で、脂肪を減らしすぎて必要なカロリーまで不足すれば、体重や筋肉を維持できません。
大切なのは、低脂肪という言葉だけで判断せず、
一日に何キロカロリー取れているか。
必要なたんぱく質を取れているか。
脂肪量がその子の病状に合っているか。
おやつやトッピングを含めた総量はどうか。
という点です。
ステロイドによって食欲が増えると、おやつやトッピングも増えやすくなります。
主食は低脂肪食でも、薬を包むためのチーズ、肉、さつまいも、おやつなどが積み重なれば、食事全体の設計が変わります。
まずは一日に口にしているものをすべて書き出してください。
5.アルブミンだけでなく、ほかの検査値も一緒に見る
治療中は、アルブミンの数値だけに意識が集中しがちです。
しかし、アルブミンが上がらない理由を考えるには、ほかの検査値も必要です。
確認したいのは、
総たんぱく。
グロブリン。
コレステロール。
カルシウム。
肝臓の数値。
腎臓の数値。
尿たんぱく。
ビタミンB12。
炎症を示す数値。
超音波での腸壁やリンパ管、リンパ節の状態です。
蛋白漏出性腸症では、アルブミンとグロブリンの低下や、低コレステロール血症が見られることがあります。一方、腎臓からたんぱく質が失われる病気では、尿たんぱくやコレステロールの見方が異なります。
また、アルブミンは腸だけでなく、腎臓からの喪失、重度の肝機能低下、炎症、出血、水分状態などによっても変化します。
ステロイドを飲んでも数値が上がらない場合は、最初に想定した原因が正しかったかを、もう一度確認する必要があります。
「腸の病気だからステロイド」という前提だけで進めず、尿検査や肝機能、食事、超音波所見などを含め、ほかの原因が除外されているかを獣医師へ確認してください。
減薬するとアルブミンが再び下がるのはなぜか
ステロイドの量を減らした後にアルブミンが再び下がると、
「やはり薬を一生飲ませなければならないのか」
と不安になると思います。
減薬によって数値が下がる場合、ステロイドが抑えていた炎症や免疫反応が、まだ十分に落ち着いていない可能性があります。
また、薬で炎症は抑えられていても、食事、リンパ管の異常、腸内の状態など、ほかの要因が残っている可能性もあります。
そのため、数値が下がったからといって、自己判断で元の量へ戻したり、急に薬をやめたりしないでください。
ステロイドは、長期間使用した後に急に中止すると、体が必要とするホルモンを十分に補えなくなる危険があります。
減薬は必ず獣医師の指示に従う必要があります。
一方で、
「減らすと下がるから増やす」
という対応だけを繰り返す前に、食事内容、体重、便、ほかの検査値を見直す意味があります。
ステロイドを減らした日。
アルブミンが下がった日。
便が変化した日。
食事やおやつを変更した日。
体重が減り始めた時期。
これらを時系列に並べると、数値低下のきっかけが見えやすくなります。
ステロイドを否定するのではなく、薬だけで終わらせない
ステロイドは、慢性腸症や蛋白漏出性腸症の治療で必要になることがある重要な薬です。
炎症や免疫反応を抑えることで、食欲や便、アルブミンが改善する犬もいます。
一方で、すべての犬が同じように反応するわけではありません。
近年の研究でも、低アルブミン血症や低コバラミン血症などを伴う慢性腸症では、治療に反応しない犬が一部いることが報告されています。
だからこそ、ステロイドを飲んでも数値が上がらない時に、
「薬が弱いから増やすしかない」
「効かないからすぐやめる」
という二つだけで考えないことが大切です。
今の食欲は、本当の回復によるものか。
便は固いだけでなく、量や回数も安定しているか。
食べている量に対して体重や筋肉は維持できているか。
食事の脂肪量や総カロリーは適切か。
アルブミン以外の検査値はどう動いているか。
これらを一つずつ確認してください。
数値より先に、愛犬の変化を整理する
アルブミンの数値は、治療の経過を判断する大切な指標です。
しかし、愛犬の状態を一つの数字だけで判断することはできません。
アルブミンが少し上がっていても、食欲が落ち、体重が減り、元気がないのであれば安心できません。
反対に、数値がすぐには上がらなくても、便が安定し、食事量が保たれ、体重や筋肉が少しずつ戻っているのであれば、体全体の変化を獣医師と共有する意味があります。
私がご相談で大切にしているのは、
食欲。
便。
体重。
食事内容。
薬の変化。
検査値。
この六つを別々に見ないことです。
食欲がある今、その食欲をどう生かすのか。
食べたものを体が受け止められているのか。
不要なものを便として出せているのか。
食べた栄養を体重や筋肉として残せているのか。
この流れを見ることが大切です。
ナノワン・リセットも、ステロイドに代わる薬として使うものではありません。
必要な治療は病院で受けながら、家庭では温かいスープとして食べてもらい、食欲、便、水分、排泄、体重の流れを見るためのケアです。
薬が必要な時は、薬の力を借りる。
しかし、薬だけで終わらせず、食事や体の反応を見直す。
犬のアルブミンがステロイドを飲んでも上がらない時は、薬を責めるのでも、愛犬の体がもう回復できないと諦めるのでもありません。
今起きている変化を一つずつ整理し、主治医と一緒に、治療の目的と次の選択肢を確認してください。
その積み重ねが、愛犬に合った治療と家庭でのケアを見つけるための第一歩になると、私は考えています。
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原産国:日本 内容量:20g(粉末)
与え方:腸内リセットレシピ参照
賞味期限:開封後10日以内
消費量:食べてくれるかどうかの確認約4~5回分
お支払い方法:クレジット決済/代引き
同包物:レシピ

