【犬が下痢を繰り返す原因を探れ!】③リーキーガット症候群
「愛犬が下痢や軟便をするたびに、下痢止めや整腸剤を飲ませています。でも、良くなったと思ったらすぐにまたお腹がゆるんだりと、なかなか思うように改善しなくて…」
このような悩みをお持ちだとしたら、あなたの愛犬が下痢をする原因には、リーキーガット症候群が関わっているのかもしれません。
今回は、犬が下痢を繰り返す原因の一つ「リーキーガット症候群」について詳しく取り上げます。
目次
リーキーガット症候群の犬の腸には穴が開いている!
リーキーガット症候群は英語で「Leaky gut syndrome」と書き、その頭文字から「LGS」と呼ぶこともあります。
直訳すると「Leaky=漏れやすい」「gut=腸」「syndrome=症候群」。つまり「腸から漏れやすい状態が続くことで様々な病態を引き起こしている」といったところでしょうか。
リーキーガット症候群は長らく人間の消化器トラブルとして知られてきましたが、近年は犬の慢性的な下痢の原因としても指摘されるようになりました。
そんなリーキーガット症候群は別名「腸漏れ」とも呼ばれ、簡単に言ってしまえば腸の粘膜に微細な穴があいてしまっている状態のことです。
本来、腸の内壁は粘液のバリアで守られていますが、体が必要としている栄養素や水分は腸壁を通過して血管内へと吸収される仕組みになっています。
そして、細菌や未消化の栄養素(吸収するには大きすぎる)といった体に害を与えるものはシャットアウトしてくれるため、腸の粘膜はいわば体を守るフィルターの役割を担っているわけですね。
しかし、なんらかの原因でこの粘膜というフィルターに穴があいてしまうとバリア機能が正常に働かなくなり、本来であれば排除されるはずだった有害物質が、血管内に取り込まれてしまうことに。
すると腸の粘膜に炎症が起こり、栄養をきちんと吸収する能力が低下した結果、頻繁に下痢をするようになってしまいます。
さらには血管内に取り込まれた有害物質の影響で、ベタベタの目ヤニが多くなったり皮膚に炎症が起きたりと、体のあちこちに不調の連鎖が引き起こされていく――これこそがリーキーガット症候群のあらましです。
犬のリーキーガット症候群で肝臓の数値が乱れる理由
リーキーガット症候群で下痢を繰り返している犬は、血液検査をすると肝臓の数値(ALP)に乱れが生じることがあります。
これは、細菌や未消化の栄養素といった体にとって有害なものが腸のバリアを突破して血管内に侵入したことで、免疫系が戦闘モードに突入してしまうからなんですね。
細菌が体にとって有害なのは間違いありませんが、未消化とはいえなぜ栄養素まで敵認定されてしまうのでしょうか。
その理由は、栄養素は吸収できるサイズにきちんと分解されていれば体にとっては味方ですが、吸収できないサイズのままでは「異種タンパク質=敵」と判断されて、攻撃対象になってしまうからです。
すると肝臓は、なんとかして体内に取り込んだ毒素を取り除こうとシャカリキになって働きます。
しかし、腸の粘膜に穴があいているせいで、食事をするたびに次から次へと細菌や未消化の栄養素が血管内へと入り込んでくることに。
その結果、腸内での炎症がどんどん増大し、解毒を頑張り続けてヘトヘトになった肝臓の数値が乱れてしまう、というわけです。
犬のリーキーガット症候群を引き起こす原因
犬の腸の粘膜に穴があいてしまうリーキーガット症候群は、次のようなことが要因となって引き起こされているのではないか、と考えられています。
- ステロイド・抗生物質・鎮痛剤・各種治療薬などの薬物投与による影響
- 必要以上のワクチン接種がもたらす影響
- 加工処理された穀物
- 保存料・着色料・増粘多糖類などの添加物
- 遺伝子組換え作物(GMO)
- 乳製品の過剰な摂取
- 食品に含まれている(あるいは残留している)化学物質
一般的に、リーキーガット症候群が原因で慢性的な下痢をしている犬の多くは、ドッグフードを常食にしているといわれています。ドッグフードには加工された穀物や保存料などが使われているものも多く、そう考えると不思議ではないですよね。
また、ドッグフードの原材料に疑わしい食材が見当たらなかったとしても、残念ながら即安心安全とは判断できません。
なぜなら肉類となった家畜が何を食べていたかまではわかりませんし、穀物、野菜、果物といった植物性の食材の残留農薬なども、犬の腸を傷める原因の一つと考えられているからです。
犬のリーキーガット症候群は食物アレルギーに関係している可能性あり
犬の腸に穴があいていると、血液中に毒素だけではなく未消化の栄養分も侵入することになります。すると免疫系統は「これは異物だ!」と反応してしまい、無用な臨戦態勢をとり続けることに。
その結果、本来は犬の体が必要としている食べ物であるはずが、その後もずっと敵と認識されてしまうことになります。
すると、その成分を含んだ食べ物を食べるたびに下痢が繰り返され、さらには体のいろいろな部位での赤み・腫れ・発疹といったアレルギー症状を引き起こしてしまうことになるでしょう。
もしも愛犬が食物アレルギーやアトピー、食物不耐症などで苦しんでいるとしたら、根本の原因にはリーキーガット症候群が関係しているのかもしれません。
下痢や皮膚の炎症といった目の前の症状をいくら薬で取り除いたところで、根本的な原因を解決しないままでは、堂々巡りをするばかりです。
「特定の食べ物を食べる」→「下痢・皮膚の赤みなどの症状が表れる」→「食物アレルギー」と短絡的に結論付けてしまうのではなく、「なぜ免疫系統がこの食べ物に反応したのか?」を考えるべきではないでしょうか。
そこから目をそらしたままでは、いつまでたっても愛犬の下痢や軟便は改善しません。
>『犬に下痢・嘔吐を引き起こす「食物アレルギー」と「食物不耐症」の違い』
犬の神経疾患の原因がリーキーガット症候群だったケース
犬のリーキーガット症候群が厄介なのは、一見しただけでは腸の不調とはまったく結びつかない病気の原因になってしまう可能性があることです。
たとえば、あるワンちゃんは自己免疫疾患による神経症状によって歩けなくなりましたが、根本に隠れていた原因は腸の粘膜にあいた穴――リーキーガット症候群でした。
事の始まりは「前足が動かなくなった」という症状によるものです。動物病院を受診して様々な検査をした結果、ALPの数値(血液検査)だけが正常値から外れて大幅に上昇していることが判明しました。
そこで肝機能を向上させる投薬治療が始まりましたが、約1ヶ月後には改善どころかまともに立つことすらできない状態にまで悪化してしまったのです。
その後もどんどん体の調子は悪くなる一方で、最初に受診した日から2ヶ月が過ぎる頃には、ほとんど寝たきりの状態となってしまいました。
ここでようやく原因は肝臓以外にあるのではないか、という前提のもとでの検査と治療が開始されることになり、その結果は腸の細菌感染だと判明します。
そして3ヶ月にわたる細菌感染治療と腸内環境を改善するための適切な食事療法を続けた結果、ワンちゃんの体は元通りに回復することができました。
では、このワンちゃんの体の中ではいったい何が起きていたのかといえば――。
なんらかの原因によって腸が細菌に感染し、腸の粘膜が傷ついて穴があいてしまったのでしょう。その状態が続いたことでリーキーガット症候群となり、ついには自己免疫疾患にまで発展。適切な治療がされない間にどんどん悪化してしまい、神経症状の発現によって体がまともに動かせなくなったと考えられます。
このワンちゃんは間に合ったから良かったですが、もしも肝臓疾患としてずっと投薬治療が続けられていたとしたら、助からなかったかもしれません。
犬のリーキーガット症候群は腸活で改善できる!
愛犬の慢性的な下痢や軟便の原因がリーキーガット症候群の可能性が高いと判断したら、改善に向けてするべきことは次の3つです。
犬の腸に悪影響を及ぼす可能性のある食べ物を排除する
腸に穴をあけてしまう可能性のある食べ物は、徹底的に食餌から取り除きましょう。そのためには、飼い主さんが食材を選択して調理することができる「手作りご飯」が理想的です。
犬の胃腸が消化しやすい安全な食材を積極的に選択する
手作りご飯に使う食材は犬の胃腸が消化しやすく、腸内で腐敗しにくいものを中心に選択します。新鮮で質が良く、出来る限り安全な食材を選んでください。
腸の粘膜を修復し腸内環境を改善する
腸を内側から温められる水分たっぷりの食事で傷ついた腸の粘膜修復をはかり、同時に乳酸菌生産物質やオリゴ糖をしっかり摂取させることで、腸内環境が善玉菌優勢になるように促していきます。
>『乳酸菌生産物質とは・・』
愛犬の慢性的な下痢は、原因がなんであれ腸活なしには改善しない
犬が病的な下痢・軟便・血便を繰り返していても、原因が特定できないことは珍しくありません。
そのような場合は「IBD(炎症性腸疾患)が疑われる」といったように、「〇〇だろう」という前提のもとでの治療が開始されることが一般的です。
仮に下痢をしている原因がリーキーガット症候群ではなかったとしても、下痢や軟便を繰り返す犬の腸が健康な状態を保てているはずはないですよね。となると、いずれにしろ予測による投薬治療の効果は、あまり見込めないということになります。
とはいえ、治療することを否定しているわけではありません。
腸の力を低下させた原因がなんらかの病気や感染だとしたら、その部分の治療は確実に必要。しかし、腸が本来持っている力を取り戻すための食事と併用しなければ、治療がかえって腸の弱体化を招いてしまうことを知ってください。
愛犬の下痢に悩んだら知ってほしいことがあります。
>『下痢の改善は3つのポイントと現代の犬の生態を知る事が鍵となる。』
今後の愛犬の健康にお役立て頂ければ幸いです。
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商品紹介
トライアルは、食べてくれるのかを試していただく為に販売しています。効果を保障するものではありません、ご理解の程宜しくお願いいたします。
原材料:乳酸菌生産物質末、米粉、山芋末、純国産100%本葛末、ラフィノースオリゴ糖、昆布末、アップルファイバー、イワシ末、葉酸、ビタミンB1,B2,B12,C,A,E,D
原産国:日本 内容量:20g(形状:粉末)
与え方:腸内リセットレシピ参照
賞味期限:開封後10日以内にお使いください。
消費量:小型犬で約4~5回分(目安)
お支払い方法:クレジット/代引き
同包物:レシピ
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