愛犬の薬膳ごはん|③体を温めも冷やしもしない平性の食材

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愛犬の薬膳ごはんシリーズとして、これまでに「①体を温める動物性タンパク質の食材」と「②体を温める植物性の食材(野菜・果物・穀類)」をご紹介してきました。今回は第三弾として、「③体を温めも冷やしもしない平性の食材」を解説していきます。

 

体を温めも冷やしもしないと聞くと、薬膳ごはんの食材として、あまり効果がないように思われるかもしれません。

 

しかし、体を温めも冷やしもしないからこそ、いろいろな食材と組み合わせることができます。つまりは、とても使い勝手の良い食材というわけですね。

平性の食材はいろいろな食材と組み合わせることができる

 

温性や涼性は体を温める、あるいは冷やすというように、その作用がとてもわかりやすい性質を持っています。では、平性のように体を温めも冷やしもしない食性は、薬膳的な観点から見たときに、どのような点が優れているのかといえば…。

 

  • いろいろな体質の犬が食べることができる。
  • 春夏秋冬、季節を問わずに食べることができる。
  • 毎日の食事に取り入れても体調に悪い影響を与えにくい。
  • 温性、涼性どちらの食材とも組み合わせやすい。

 

実際に、日頃私たちがよく口にする食材の約7割は、平性の食性を持っているといわれています。

 

ということは、愛犬の手作りご飯は平性の食材がベースとなり、そこに体質や体調に合わせて温性や涼性を組み合わせていく、という考え方が一番わかりやすいのかもしれません。

 

>『【犬の手作りご飯】秋バテぎみの犬におすすめの食材

 

 

平性の動物性タンパク質の食材:肉類

 

まずは、犬の手作りご飯の中心となる動物性タンパク質の食材をご紹介します。

 

  • 牛肉
  • 豚肉
  • 鴨肉
  • 鶏の砂肝

 

「牛肉や豚肉が平性なら、いろいろな食材と組み合わせてどんどん愛犬の手作りご飯に取り入れよう!」と思いたくなるところですが、ちょっと待って!

 

生まれてこのかた、一度もお腹の調子を崩したことがない犬であれば、それもいいかもしれません。しかし、少なくとも下痢や軟便を改善しなければいけない犬にとって、牛肉豚肉はデイリーな食材としては少々難しい面があります。

 

というのも、牛肉や豚肉は鶏肉に比べてタンパク質や脂肪の含有量が多く、消化により多くの時間がかかるからです。

 

消化に時間がかかるということは、必然的に腸内にとどまる時間が長くなります。すると、未消化のタンパク質は悪玉菌のエサになりやすく、アンモニア、インドール、硫化水素といった腐敗物質が生成されてしまうんですね。

 

その結果、腸内環境が悪化してしまったら、下痢や軟便の改善からはさらに遠のいてしまうことでしょう。とりわけ牛肉はお腹の中で腐敗しやすいため、下痢や軟便をしている犬の食事には向いていません。

 

となると、やはり愛犬の手作りご飯の肉類は基本が鶏肉(胸肉・ささみ)、時々程度で消化しやすい魚肉と考えるのが一番安全です。

 

>『【犬の手作りご飯】鶏肉はささみと胸肉どっちがいい?

 

平性の動物性タンパク質の食材:魚介

 

犬が食べられる平性の魚介には次のようなものがあります。

 

  • 牡蠣(加熱のみ)
  • ホタテ(貝柱、ヒモのみ)
  • カツオ
  • サンマ
  • サワラ
  • スズキ
  • タラ
  • ヒラメ

 

こうして見てみると、平性の魚介は犬の食事のデイリーな食材としては、少々難しいものが多いということがわかるのではないでしょうか。

 

牡蠣やホタテは当然のことながら、消化がしやすくなるようにミンチにする必要があります。ホタテは貝柱とヒモ以外は犬に与えるのはNGなので、結局のところ無理をしてまで食べさせる必要はありません。

 

また、タラはとても消化しやすい白身魚なので、下痢や軟便をしている犬の食事にも比較的取り入れやすい魚肉ではありますが、体を温める作用はないことを念頭に置き、温性の野菜と組み合わせたほうが安心です。

 

こう考えていくと、やはり犬の手作りご飯の動物性タンパク質は鶏肉を基本とし、魚介は時々程度にしておくのがよさそうですね。

 

>『【犬の手作りご飯】魚の選び方|白身魚・赤身魚・青魚

 

 

平性の植物性の食材:野菜

 

平性の野菜の中で、犬の手作りご飯に使えるものをご紹介します。

 

  • キャベツ
  • ニンジン
  • 白菜
  • 山芋
  • オクラ
  • カリフラワー
  • さつまいも
  • 里芋
  • さやえんどう
  • スナップエンドウ
  • じゃがいも
  • 春菊
  • チンゲンサイ
  • ピーマン
  • ブロッコリー

 

どれもスーパーなどで手軽に購入できる野菜ばかりです。つまり、とても使い勝手がよいのが平性の野菜というわけですね。

 

とはいえ、犬の胃腸は基本的に野菜の消化を得意とはしていません。そのため、愛犬の体調や体質をよく考え、どの野菜を使うか決めることはとても大切です。

 

もちろん、どの野菜を使うにしろ、刻む・すりおろすといった消化しやすくなるひと手間をかけるのは必須。ここをおろそかにしてしまうと、体に悪影響を与えにくいはずの平性の野菜が、下痢・軟便・便秘・嘔吐の原因になることもあるので注意してください。

 

>『【犬の手作りご飯】野菜の栄養は強固な壁に守られている

 

平性の植物性の食材:果物

 

最後は平性の果物をご紹介します。愛犬にオヤツとして果物を食べさせるときは、食性を考えることで体調維持がしやすくなるはずです。

 

  • りんご
  • クランベリー
  • ブルーベリー
  • パイナップル

 

あれ?バナナは?」と思われたかたもいらっしゃることでしょう。犬の大好物バナナは、なんと寒性の果物なんですね。涼性より冷やす効果が強い寒性なんて、ちょっと意外だったのではないでしょうか。

 

つまり、下痢や軟便をしている犬にお腹に優しそうだから、というイメージだけでバナナを食べさせていた場合、症状を悪化させる可能性があるわけです。

 

こういったイメージによる勘違いがあるからこそ、薬膳的な観点から食材の食性を知ることはとても大切なんですよね。

 

>『【犬の手作りご飯】果物は栄養バランスを整えるお助け食材

 

>『愛犬の薬膳ごはん|①体を温める動物性タンパク質の食材

 

>『愛犬の薬膳ごはん|②体を温める植物性の食材(野菜・果物・穀類)

 

>『愛犬の薬膳ごはん|④取扱い注意!薬にも毒にもなる熱性・寒性の食材

 

>『愛犬の薬膳ごはん|⑤適量なら消炎・解毒作用が期待できる涼性の食材

 

今後の愛犬の健康にお役立て頂ければ幸いです。

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この記事を書いた人

坂田剛

(株)ラクト・ラボ代表取締役。20年間健康美容業界に携わり犬達の世界が人間と同じように生活習慣病が増え始めてきたことをきっかけに15年前に犬のサプリメント販売ラクト・ラボを起業。2018年に法人化。趣味は愛犬とキャンプに行き大自然とふれあいリフレッシュすること。

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