犬のリパーゼの数値が高い!膵炎じゃなくても低脂肪食が望ましい

LINEで送る
Pocket

 

血液検査の結果、愛犬のリパーゼ(LIP)が正常値を超えていた――。こんな時、真っ先に思い浮かべるのは膵炎ではないでしょうか。

 

しかし、膵炎の診断はリパーゼの数値だけでは決まりません。アミラーゼ(膵液に含まれる消化酵素)、cPL(イヌ膵特異的リパーゼ)、超音波検査などなど、複数の検査をしなければ確定はできないのです。

 

そして検査の結果「膵炎の治療は必要ない」と判断されたとしても油断は大敵。リパーゼの数値が高いのであれば、愛犬のご飯は栄養バランスの整った低脂肪食がベストです。

膵臓の重要な働きは「消化液の分泌」と「血糖値調整ホルモンの分泌」

 

消化器といえば胃や腸が思い浮かぶと思いますが、膵臓も消化器に含まれています。といっても、胃や腸のように臓器内で食べ物を消化・吸収しているわけではありません。

 

膵臓の働きは…

 

  • 食べ物の消化に必要な膵液(トリプシン・リパーゼ・アミラーゼなどの消化酵素)を作り十二指腸へ送り出す
  • 血液に含まれる糖分の量を調節するホルモン(インシュリン・グルカゴン)を作り血液中に送り出す

 

膵臓で作られる膵液には強力な消化作用があります。しかし、本来は膵臓では働かないことになっています。十二指腸に送り出されてから活性化することで、消化力をバリバリ発揮するはずなんですね。

 

ところが、なんらかの原因によって膵臓内で活性化してしまうと、なんと膵臓そのものを消化しはじめてしまうのです。その結果、膵臓の細胞が破壊されてしまい、リパーゼ等が血液中に漏れ出した結果、血液検査の数値として表れてくることに。

 

食べ物を消化するために作り出したはずの消化液が、自分の臓器を消化してしまうとは…!考えただけでゾッとしますよね。

 

 

犬のリパーゼが上昇する原因は膵炎だけじゃない

 

犬のリパーゼが高くなったとしても、必ずしも膵炎が原因とは限りません。胃腸炎が膵臓に影響を及ぼしていることもあれば、肥満やストレスが原因の可能性も。

 

また、体質的に脂質代謝を苦手としている犬種は、リパーゼの値が上昇しやすいといわれています。

 

  • ミニチュア・シュナウザー
  • トイ・プードル
  • アメリカン・コッカー・スパニエル
  • ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア(ウェスティー)
  • ヨークシャー・テリア(ヨーキー)
  • キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
  • ボクサー
  • コリー

 

このあたりの犬種は生まれつき脂質代謝が苦手な犬が多いことで知られています。何も体調不良がないにもかかわらず、リパーゼの値が高いことも珍しくありません。

 

また、シニア期に近づくにつれてリパーゼの値は高くなりやすく、オスよりメスのほうが高くなりやすいことも判明しています。上記の犬種、メス、7歳を超えているなどの条件が揃っている場合は、特にお気をつけください。

 

 

リパーゼの数値が高いなら膵臓に負担をかけにくい低脂肪食がおすすめ

 

犬にとって脂肪は重要なエネルギー源です。しかし脂肪を多く摂取するということは、それだけ脂肪分解のために膵臓を酷使することでもあります。

 

そのため、リパーゼの値が正常値を超えた結果「膵炎ではない」と診断されたとしても、食事は低脂肪を前提に考えたほうがよいでしょう。脂質代謝を苦手としている犬種であれば、なおのこと低脂肪食は健康管理において重要です。

 

ちなみに、鶏肉100gに含まれている脂質を比べてみると…

 

  • ささみ 脂質0.8g
  • 胸肉(皮なし) 脂質1.9g
  • もも肉(皮なし) 脂質5.0g

 

ささみと胸肉は腸内環境を改善する腸活食の二大タンパク質食材ともいえますが、リパーゼの数値が高いのであれば、ささみのほうがより脂質をカットできることがわかります。

 

では、いっそのこと「無脂肪」にしてしまえばもっと良さそうな気がしますが、犬の健康維持を考えると、無脂肪はよくありません。というのも、無脂肪食にしてしまうと脂溶性ビタミン(A・D・E・K)を吸収しにくくなるからです。

 

だからこそ、「低脂肪」が最も適しているわけですね。

 

>『犬の「腸活」基礎知識|腸の温度を上げないと腸内環境は改善しない

 

 

低脂肪・タンパク質が多すぎない・オメガ3脂肪酸が食事の基本!

 

さて、犬のリパーゼの値が高いときの食事は低脂肪が基本ですが、脂肪分を減らした分だけタンパク質をたっぷり……と考えてはいけません。

 

なぜなら、タンパク質の過剰摂取もまた、膵臓に負担をかけることになるからです。

 

また、オメガ3の脂肪酸は腸粘膜の炎症を抑制する効果が期待できるため、低脂肪食における脂質に最適といえるでしょう。

 

オメガ3脂肪酸を多く含んでいる食材

 

  • マグロ
  • サンマ
  • イワシ
  • エゴマ油
  • アマニ油
  • ココナッツオイル
  • サーモンオイル

 

とはいえ、これらの食材をジャンジャン食べさせれば良いというわけではありません。しつこいようですが、低脂肪食においても大切なのは栄養バランスが整っている――この一言に尽きるのです。

 

>『犬の腸を冷やす強烈な原因と解決策を解説

 

今後の愛犬の健康にお役立て頂ければ幸いです。

【 個別無料電話相談 】

お問い合わせはこちら

■同じ下痢であっても、同じアルブミン低下であってもその子のこれまでの生活環境、食事、薬の経歴によって全くアドバイスが変わってきます。この子に合わせた個別アドバイスを受けられてはいかがでしょうか?

※無料相談では商品の購入は受け付けておりません。アドバイスのみとなります。また、お名前をお聞きすることもありません。安心してご相談ください。


※【 個別無料電話相談もございますが、お急ぎの方は直接ご連絡ください。】

※【 お問合せメールでのアドバイスは行なっておりません。お電話又はLINE電話のみの対応となります。ご了承ください。】

092−334−2068

※ お急ぎの方は今すぐお電話ください。直ぐにコチラからかけ直します。

【電話受付時間】10:00〜16:00
【定休日】土日祝日(臨時休業あり)
     年末年始、GW、夏季休暇

この記事を書いた人

坂田剛

(株)ラクト・ラボ代表取締役。20年間健康美容業界に携わり犬達の世界が人間と同じように生活習慣病が増え始めてきたことをきっかけに15年前に犬のサプリメント販売ラクト・ラボを起業。2018年に法人化。趣味は愛犬とキャンプに行き大自然とふれあいリフレッシュすること。

この著者の記事一覧

コメントは受け付けていません。

LINEで送る
Pocket

関連記事RELATED ARTICLE

食生活・生活習慣を見直して、ワンちゃんが健康で元気になるお手伝いをいたします。

092−334−2068 092−334−2068 arrow_right
PAGE TOP