神奈川県|11歳キャバリア|内視鏡検査後に「IBD・リンパ腫の疑い」アルブミン1.7で不安になった犬の無料相談事例

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今回ご紹介するのは、神奈川県にお住まいの飼い主様からいただいた無料相談です。

 

愛犬は11歳のキャバリア、男の子。

 

体重は以前7.4kgほどありましたが、相談時には6.6kg前後。

 

数か月前から軟便と下痢を繰り返し、血液検査ではアルブミンが2.2、その後1.9、そして内視鏡検査を受ける前には1.7まで下がっていました。

 

食欲には波があるものの、まったく食べられない状態ではありません。

 

病院では食事療法、整腸剤、ステロイドなどを続けていましたが、アルブミンが思うように上がらず、最終的に詳しく腸を調べるため内視鏡検査を受けることになったそうです。

 

11歳という年齢。

全身麻酔。

アルブミン1.7。

 

飼い主様は検査そのものにも大きな不安を抱えていました。

 

それでも、

 

「ここまで調べれば、何の病気なのか分かるはず」

「原因が分かれば、治療方法も決められるはず」

 

そう考えて内視鏡検査を決断されました。

 

ところが、検査後に病院から説明された結果は、

 

「慢性的な炎症が見られます」

「IBD、現在でいう慢性腸症が考えられます」

「ただし、リンパ腫の可能性も完全には否定できません」

 

というものでした。

 

飼い主様が無料相談で最初におっしゃったのは、

 

「全身麻酔までして内視鏡検査を受けたのに、結局“疑い”なんです」

 

という言葉でした。

 

そして続けて、

 

「何のために検査をしたのか、分からなくなりました」

 

とおっしゃいました。

 

今回の相談で一番大きかったのは、病気そのものへの怖さだけではありませんでした。

 

ここまで検査したのに、答えが一つに決まらなかったこと。

 

そこに大きな不安と戸惑いがありました。

「内視鏡をすれば病名が決まる」と思っていました

 

内視鏡検査を受ける前、飼い主様は病院から、

 

「腸の組織を取って詳しく調べましょう」

 

と説明を受けていました。

 

当然、

 

「組織まで調べれば、病名が分かる」

 

と考えます。

 

実際、内視鏡では胃や十二指腸などを直接観察し、組織を採取して病理検査を行うことができます。

 

慢性腸症で食事療法などに十分反応しない場合や、腫瘍などを疑う場合には、内視鏡や生検が診断の重要な手段になります。

 

しかし、ここには飼い主様には分かりにくい部分があります。

 

病理検査をしたからといって、すべての犬で必ず一つの病名に確定できるわけではありません。

 

慢性的な炎症でもリンパ球などの細胞が増えます。

リンパ腫でもリンパ球が増えます。

さらに内視鏡で採取する組織は、腸の表面に近い粘膜の一部分です。

 

病変の場所や深さによっては、採取した組織だけでは判断が難しい場合があります。内視鏡生検は有用ですが、採取できる組織が小さく表層に限られるという制約があります。

 

私は飼い主様に、

 

「“疑い”という結果だから、検査に意味がなかったとは限らないと思います」

 

とお伝えしました。

 

まずここを整理することから、今回の相談は始まりました。

 

病理検査の紙に書かれていた言葉を、一緒に読み直しました

 

飼い主様は病理検査結果のコピーをお持ちでした。

 

しかし、

 

「専門用語ばかりで、ほとんど分かりません」

 

とのことでした。

 

病院では説明を受けたものの、頭の中には、

 

「IBD」

「リンパ腫」

 

という二つの言葉だけが強く残っていました。

 

私は、

 

「まず“リンパ腫です”と書いてあるのか、“否定できない”と書いてあるのかを分けて見ましょう」

 

とお話ししました。

 

これは非常に大切です。

 

「リンパ腫と診断された」

 

ことと、

 

「リンパ腫を完全には除外できない」

 

ことは同じではありません。

 

犬の慢性腸症では、病理組織だけで炎症とリンパ腫を明確に区別することが難しいケースがあります。病理所見には限界があり、臨床症状やほかの検査結果と合わせて判断する必要があります。

 

飼い主様は、

 

「私は“リンパ腫”という文字だけを見て、もう癌だと思っていました」

 

とおっしゃいました。

 

このようなことは珍しくないと思います。

 

病理結果には、可能性を示すために複数の病名が書かれることがあります。

 

しかし飼い主様にとっては、その中で最も怖い言葉だけが残ってしまいます。

 

だからこそ、

 

「何が確定しているのか」

「何がまだ確定していないのか」

 

を分けることが必要です。

 

今回の内視鏡検査で「分かったこと」を確認しました

 

私は次に、

 

「今回の検査で、何も分からなかったわけではないですよね」

 

とお話ししました。

 

病理検査では、腸に慢性的な炎症性変化があることが確認されていました。

 

つまり、

 

「腸にまったく問題がなかった」

 

わけではありません。

 

ここは検査前と違います。

 

また、明確にリンパ腫と断定できる所見ではなかった。

 

これも一つの情報です。

 

つまり今回の検査によって、

 

腸に炎症性変化があることは確認された。

 

しかし、その炎症が慢性腸症として説明できるのか、リンパ腫などが隠れているのかまでは完全に決めきれなかった。

 

ここまでが今分かっていることです。

 

「病名が一つに決まらなかった」

 

という結果と、

 

「何も分からなかった」

 

という結果は違います。

 

この部分を整理すると、飼い主様の表情が少し変わりました。

 

「そう考えると、ゼロではなかったんですね」

 

とおっしゃいました。

 

次に問題になったのは「では、どうしてステロイドを続けるのか」でした

 

検査後、主治医からはステロイド治療を続ける方針が説明されていました。

 

そこで飼い主様は、

 

「リンパ腫かもしれないのに、同じ薬でいいのでしょうか」

 

と不安になっていました。

 

さらに、

 

「結局ステロイドを使うなら、内視鏡検査をする前と同じではないですか」

 

という疑問もありました。

 

この質問も非常によく分かります。

 

現在、犬の慢性腸症では、食事療法への反応などを見ながら治療を進め、必要な場合にはステロイドなどの免疫抑制治療が検討されます。すべての慢性腸症が一律にステロイド治療になるわけではありません。

 

ただし、私は薬の継続や変更を判断することはできません。

 

そこで、

 

「ステロイドを使うかどうかではなく、なぜこの子に今ステロイドを使っているのか、その目的を主治医に確認してみませんか」

 

とお伝えしました。

 

炎症を抑えることが目的なのか。

アルブミン低下を伴う慢性腸症を考えているからなのか。

病理結果を踏まえたうえでの治療なのか。

 

そして、

 

「何がどう変化したら、この治療が効いていると判断するのか」

 

ここまで聞くことをおすすめしました。

 

薬の名前だけではなく、治療の目的を知る。

 

今回の相談では、ここも大切なポイントでした。

 

アルブミン1.7だけを見て、飼い主様は毎日怖くなっていました

 

相談時、飼い主様が何度も口にされた数字が1.7でした。

 

「アルブミンが1.7なんです」

「1.7はかなり低いですよね」

「もっと下がったらどうなるのでしょうか」

 

当然、心配になると思います。

 

しかし私は、

 

「1.7になるまでの流れを一緒に見てみましょう」

 

とお伝えしました。

 

2.2。

1.9。

1.7。

 

では、その間に何があったのか。

 

下痢はどうだったのか。

食欲はどうだったのか。

体重はどう動いたのか。

薬を始めたのはいつか。

食事を変えたのはいつか。

内視鏡検査をしたのはいつか。

 

一つの数字だけではなく、同じ時間軸の上に並べていきました。

 

慢性腸症の治療反応は、便だけではなく、食欲、嘔吐、体重減少、活動性、さらにアルブミンや腹水・浮腫などを含めて評価する考え方があります。

 

飼い主様はそれまで、

 

「次の血液検査でアルブミンが上がるかどうか」

 

だけを見ていました。

 

しかし、その子の状態はアルブミンだけではありません。

 

ここを少しずつ整理しました。

 

内視鏡検査後、便は少し良くなっていました

 

話を聞いていくと、検査後に治療を調整してから便の状態には少し変化がありました。

 

以前は一日に3回から4回。

 

後半はかなりやわらかくなることもあった。

 

現在は一日2回程度。

 

まだ完全な普通便ではないものの、以前より形がある日が増えていました。

 

食欲もあります。

体重は6.6kg前後で、ここ数週間は大きく減っていません。

 

ところが飼い主様は、この変化をほとんど「改善」とは考えていませんでした。

 

理由は、

 

「アルブミンがまだ低いから」

 

です。

 

私は、

 

「アルブミンを見ることは大切です。でも、便や体重の変化も一緒に主治医へ伝える価値があります」

 

とお話ししました。

 

検査数値だけが体の状態ではありません。

 

反対に、便が良くなったからアルブミンも大丈夫ということでもありません。

 

両方を見る必要があります。

 

ここも今回の相談で、飼い主様の考え方が少し変わったところでした。

 

「追加検査をするべきか」が次の不安になっていました

 

病理検査結果には、必要に応じて追加検査を検討するという説明もあったそうです。

 

飼い主様は、

 

「また検査ですか」

 

と疲れていました。

 

血液検査。

超音波。

内視鏡。

全身麻酔。

 

ここまで頑張った愛犬に、まだ検査を受けさせるのか。

 

 

その気持ちは当然です。

慢性炎症とリンパ腫の鑑別が難しい場合には、病理組織に加えて免疫組織化学やPARRなどの検査が検討されることがあります。ただしPARRも単独で100パーセント診断を決めるものではなく、炎症性疾患でもクローン性がみられることがあるため、臨床所見や病理結果などと合わせて慎重に解釈する必要があります。

 

だから私は、

 

「追加検査を受けるかどうかだけで考えるのではなく、その検査をすると治療方針が変わるのかを聞いてみてください」

 

とお伝えしました。

 

もし追加検査の結果によって、

 

治療内容が大きく変わる。

薬が変わる。

予後の考え方が変わる。

 

のであれば、受ける意味を考えやすくなります。

 

一方で、

 

結果がどちらでも当面の治療が同じなのであれば、その情報も含めて相談できます。

 

何のために検査するのか。

 

ここを理解してから判断することが大切です。

 

飼い主様が一番苦しかったのは「答えがないこと」でした

 

今回の無料相談を通して、私は、

 

飼い主様が最も苦しんでいたのは、

 

「IBDなのかリンパ腫なのか」

 

その二択だけではないと感じました。

 

全身麻酔まで受けた。

愛犬も頑張った。

検査費用もかかった。

 

だから、

 

「これで答えが分かる」

 

と思っていた。

 

ところが結果は、

 

「疑い」

 

だった。

 

そのため、

 

「では私は、これから何を信じて治療を続ければいいのか」

 

という状態になっていたのです。

 

そこで私は、

 

今、分かっていること。

まだ分からないこと。

現在の治療の目的。

次の検査をする目的。

家庭で見ること。

 

この五つを分けて考えてみましょう、とお話ししました。

 

病名を無理に一つに決めるのではありません。

 

分からないものは、分からないまま整理する。

 

これも医療と付き合っていくうえでは大切なことだと思っています。

 

無料相談後、病院で聞く内容が変わりました

 

相談前、飼い主様は次回の診察で、

 

「結局、IBDなんですか。リンパ腫なんですか」

 

と聞こうと思っていました。

 

しかし相談後は、少し質問を変えることになりました。

 

今回の病理結果で、一番可能性が高いと考えているものは何か。

リンパ腫を疑っている根拠はどの部分なのか。

今のステロイドは何を目的に使っているのか。

治療が効いているかは何を見て判断するのか。

追加検査をした場合、治療方針は変わるのか。

 

そしてアルブミン1.7だけではなく、便が以前より改善していること、体重がここ数週間維持できていることも伝える。

 

このように整理しました。

 

私は、これは「病院に反論するための質問」ではないと思っています。

 

愛犬の治療を理解して続けるための質問です。

 

全身麻酔まで受けた検査だからこそ、結果の紙だけで終わらせない

 

内視鏡検査は、飼い主様にとって簡単に決断できる検査ではありません。

 

特に高齢犬やアルブミンが低い犬では、全身麻酔への不安も大きいと思います。

 

だからこそ、結果が、

 

「疑い」

 

だった時に、

 

「検査しても意味がなかった」

 

と感じてしまうことがあります。

 

しかし、内視鏡生検には、腸粘膜の炎症やリンパ管拡張、腫瘍性変化などを評価する役割があります。一方で、採取できる部位や深さ、検体の質などによる限界もあり、病理結果は臨床症状などと合わせて解釈する必要があります。WSAVAも消化管の内視鏡、生検、病理評価を標準化するガイドラインを設けています。

 

今回の検査では、

 

腸に炎症性変化があることが分かった。

リンパ腫を断定できる状態ではなかった。

しかし完全に否定するところまではいかなかった。

 

これも一つの結果です。

 

その結果を、これからの治療にどう使うか。

 

そこまで確認して初めて、検査の意味が見えてくるのだと思います。

 

相談後に飼い主様から言われた「少し整理できました」

 

無料相談の最後に、飼い主様から、

 

「病名が決まったわけではないですけど、少し整理できました」

 

と言っていただきました。

 

私は今回、この言葉が一番大切だと思いました。

 

無料相談でIBDなのかリンパ腫なのかを診断したわけではありません。

病理結果を書き換えたわけでもありません。

アルブミン1.7を上げたわけでもありません。

 

ただ、

 

「疑いと言われた」

 

という一つの大きな不安を、

 

何が分かっているのか。

何がまだ分からないのか。

今の治療は何を目的としているのか。

次に何を確認するのか。

愛犬自身は今どう変化しているのか。

 

に分けただけです。

 

それによって、

 

「何も分からない」

 

から、

 

「まだ分からないことはある。でも、次に聞くことは分かった」

 

へ変わりました。

 

私は無料相談では、ここを大切にしています。

 

同じように「IBD・リンパ腫の疑い」と言われて不安な飼い主様へ

 

全身麻酔まで受けた。

内視鏡で組織も取った。

 

だから病名が決まると思っていた。

 

それなのに、

 

 

 

と言われた。

 

その時、

 

「結局、何だったの」

 

と思うのは当然です。

 

しかし、まず病理結果の中で、

 

何が確認されたのか。

何が確定していないのか。

 

ここを分けてみてください。

 

そして、現在の愛犬も見てください。

 

食欲。

便の回数。

便の状態。

体重。

元気。

アルブミンの推移。

薬を始めて何が変わったか。

 

ナノワン・リセットについても、IBDやリンパ腫を診断したり、病院での治療に代わったりするものではありません。

 

必要な検査と治療は動物病院で行うことが前提です。

 

そのうえで私は、家庭で毎日見える食欲、便、体重、排泄を大切にしています。

 

検査結果は重要です。

 

しかし、病理結果の一枚だけが愛犬のすべてではありません。

 

検査結果。

血液検査。

食欲。

便。

体重。

薬への反応。

 

それらをつなげて考えていく。

 

全身麻酔まで受けた検査だからこそ、

 

「疑いだったから意味がなかった」

 

で終わらせないでください。

 

今回の検査で何が分かり、次の治療にどうつながるのか。

 

そこまで理解することが、愛犬の治療を納得して続けるための大切な一歩になると私は考えています。

この記事を書いた人

坂田剛

これまでに6,000人以上の飼い主様からご相談をいただき、現在も日々ご相談をお受けしています。下痢・軟便・アルブミン低下など、繰り返す不調の多くは「原因の見極め」で方向性が変わります。ご相談はすべて、坂田が直接対応しています。今の状態を一緒に整理し、今日からできる具体的な対策をお伝えしています。

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